王者バイエルンを苦しめた岡崎慎司、酒井高徳、それぞれの収穫 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 酒井も今季は最初のシーズンのような思い切りを失っていた。全体のバランスなど多くを考えすぎた結果、そつはないものの怖さのないプレイが続いた。だが、この試合ではそのクロスとセットプレイが得点につながった。ためらいなく上がり、また守備に戻った。「思い切ってプレイができた。やっぱり自分の良さはそこなのかな」と、あらためて気づくことになった。

 2年前は内田のシャルケが、昨季は香川のドルトムントがカップを掲げた。3年連続で日本人の所属するチームが優勝することはなかったが、カップ戦の決勝という大舞台を経験した意味は小さくない。「独特の雰囲気にやみつきになりそうだった。決勝っていいな、と思った」と、酒井はこの日のゲームを楽しんだ様子だった。

 この経験を来季につなげること。それがこの大舞台を踏んだことの大きな意義となるだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る