2013.05.22

故障と誤報に襲われた長友佑都。イタリアでの今季の評価は?

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by SINO/FOOTBALL PRESS

リーグ戦終盤に復帰した長友佑都。最終節ウディネーゼ戦でも先発フル出場を果たしている 【2012-13シーズン欧州組総括@イタリア編】

 インテルのリーグ戦9位はモラッティ体制になってから最悪の順位。シーズン16敗は20チーム制になってからのセリエAにおけるクラブ史上最多。失点57は、断トツでセリエBへ降格したペスカーラに次ぐ数字で、得点(55)を失点が上回った。3失点以上したのが9試合で、折り返し後の後半戦の19試合はたった5勝。特にラスト3ヵ月は底なし沼で、この間のサン・シーロでの勝利はパルマ戦のひとつだけ。

 悪夢のサポーターをさらに苛立たせ、落胆させたのが、クラブ側が何をしたいのかが見えてこなかったことだ。そうなると過去までさかのぼって問題点が彼らの頭から噴出してくる。チームを守る”顔” (ミランのガッリアーニのような存在)の不在、若返りをスローガンにしながらバロテッリやデストロを売るという計画と実行の不一致、補強の失敗など、羅列するとキリがない。

 当然ながら指揮官ストラマッチョーニにも懐疑の目が向けられた。まず、医療スタッフは以前から変わらないのに故障者が多かったのは、監督が医師団を掌握しきれていないからではないのか、という疑問符がついた。また、チーム作りも問題視された。相手を研究しつくし試合ごとにアプローチを変える彼のやり方は、オーソドックスなイタリアンスタイルとも言えるが、それ以前にあるべきアイデンティティを作れなかった。

 さらに、「故障者の多さ」、「不運」、「誤審」があったのは誰の目にも明らかだが、敗戦の弁としてそれを口にしすぎたイメージもある。「それを言うと選手に”アリバイ”を与えてしまう。監督は、実際にピッチに立つ選手にやる気を起こさせ、モチベーションを与えなければならないのに……」とアルド・セレーナ(元イタリア代表の解説者)は苦言を呈する。

 だが、その一方でエミリアーノ・モンドーニコ(数々のチームの監督を歴任した解説者)のように「監督なら誰もが経験する試練。ネガティブな時が教えてくれるものは大きく、それが監督をより成長させる」と、ストラマッチョーニを擁護する者もいる。モンドーニコは続ける。「この苦しみによって、彼はもっと強くなり、より”勝者”となるだろう」と。