リーグ優勝しても批判続出。バルサに改革は必要なのか? (2ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko
  • photo by Getty Images

 その後も、バルサはリーグ戦では首位の座を一度も譲ることなく、リーグ優勝を決めた。これは、昨季、僅差でレアル・マドリードに奪われたリーグタイトルを奪回する意思を、バルセロナが開幕から強く持っていたことの証明だ。

 今季、ビラノバ監督がニューヨークで治療するために3カ月もチームを不在にしながら、その間、バルセロナはチャンピオンズリーグで勝ち進み、決勝トーナメント1回戦のミラン戦では奇跡の大逆転を実現して、その後準決勝まで勝ち進んでみせた。

 だが、準決勝では、バイエルンを相手に手も足も出ない不甲斐ない試合をして決勝進出を逃した。そのことが、現在のネガティブな評価につながっている最大の理由だろう。

 ビラノバ監督の長期不在、主力選手の負傷が重なるなど、同情の余地はあったが、チャンピオンズリーグという世界最高峰の大会で、敵地で得点できずに4失点し、2戦合計で7失点したのだから、それを失態と言われても仕方がない。

 世界一のクラブと呼ばれ、ここ数年の攻撃的パスサッカーブームの流れを作った本家本元であるバルセロナが、バイエルンを前にしてパスを回せず、攻撃もできずに膝をついたのだから、そのインパクトが大きかったのは当然だった。

 それでも、ビラノバ監督は現在の路線を変えるつもりはない。バルサは長い間、自らが進む道を失い、模索し、さまよい、立て直しに時間をかけたあげく、ようやく現在のスタイルを確立して今があるのだ。それを熟知しているビラノバ監督は、バルサの攻撃的パスサッカーの哲学を崩す気は毛頭ない。

 だからこそ、選手補強についても慎重だ。バルサのプレイシステムは、個々の選手に技術面、戦術面で高いレベルが求められる。ビラノバ監督曰く「誰もがバルサに適応できるわけではない」。バルセロナでプレイできるのは選ばれし選手だけだ。

 そんな来季の選ばれし選手の筆頭として名前が挙がっているのが、ネイマール(サントス/ブラジル代表)だ。バルセロナとはすでに大筋で合意しているようだが、今月中にも獲得を決めて、来季のチームづくりを始めたいバルサ側と、契約は6月のコンフェデレーションズカップの開催を待って、ネイマールの活躍次第で価格を吊り上げたい代理人(ネイマールの父親)との間で、最終合意に達していないようだ。

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