2013.05.03

【CL】レアル、バルサ敗退の真相。欧州勢力地図は変わったのか?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

ドルトムント戦で落胆の表情を浮かべるクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)「バイエルンのやっているのはサッカーじゃない。あんなサッカーで勝って嬉しいのか」

 とは、ロベルト・カルロスのコメントだ。00~01シーズン準決勝で、バイエルンに敗れたレアル・マドリードの左サイドバックは、試合後、そういって怒りを爆発させた。優勝候補の本命はバイエルンの奇襲戦法の罠にはまり、大会を後にした。似たような気持ちに襲われたのは、ロベルト・カルロスだけではなかったはずだ。勝者を素直に讃えようとした者は少なかったと思われる。

 では、ドルトムントに敗れた今回はどうだっただろうか。バイエルンに敗れたバルセロナはどうだっただろうか。「あんなサッカーで勝って嬉しいのか」と、負け惜しみを言うだろうか。

 巧い選手は巧い相手に弱い。この世界でよくいわれる、格言にも近い台詞(せりふ)だ。 

 巧い選手は、巧くない相手にカウンターを浴びて敗れても、それほどがっかりしない。本当に敗れた気にはならない。だが巧い相手のプレイを目の当たりにすると、大きなショックを受ける。戦意喪失。闘争心を失い脱帽する。敗戦を素直に認め、相手をリスペクトしようとする。

 かつてのバイエルンは、チャンピオンズリーグで優勝しても、少なくとも攻撃的サッカーを標榜する陣営から一目置かれることはなかった。00~01シーズン当時、サッカー界は守備的サッカーと攻撃的サッカーが、激しく火花を散らしていた。まるで東西の冷戦構造を彷彿させるイデオロギー対決に近いものがあった。ドイツはイタリアとともに、守備的サッカーを代表する国としての役割をはたしていた。スペイン、オランダ、イングランド等々の国々と対立していた。