【CL】バルサを粉砕!バイエルン快勝の裏側にあった地元メディアとの攻防

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

前半25分、貴重な先制ゴールをヘディングで決めたトマス・ミュラー前半25分、貴重な先制ゴールをヘディングで決めたトマス・ミュラー「今季のバイエルンはひと味違う」

 長谷部誠らブンデスリーガでプレイする日本人選手が口々に語っていたことが証明された。

 チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ。バイエルンはこの大舞台でバルセロナを4-0で下した。両チームの前回の対戦は09年のチャンピオンズリーグ準々決勝だったが、そのときの第1戦、バイエルンは0-4で敗れている(第2戦で1点を返したもののトータルスコアは5-1で敗退)。文字通りのリベンジを果たしたわけだ。

 内容でもバルセロナを圧倒した。シュート数は13対4。守ってはメッシらバルセロナ攻撃陣にゴール前でほとんど仕事をさせなかった。先制点をあげたミュラー、3点目をあげたロッベンは「バルセロナ相手に4-0なんて。夢のようだ」と素直に喜びを表現した。

 バイエルンのベッケンバウアー名誉会長は「予想できなかった。ドイツ対ドイツの決勝になるかもしれない」と、早くも決勝の組み合わせを予想した。翌日のビルト紙も「これで決勝だ!セカンドレグは形式的なものにすぎない」と、決勝進出を断言している。浮き足立ってしまうのもわかるような快勝劇だった。

 来季から新しく指揮を執るグアルディオラの古巣との準決勝は、言ってみれば今季の総決算。このタイミングを狙ったかのように、実はここ数日、バイエルンの周辺には足を引っ張るようなニュースが飛び交っていた。

 ウリ・ヘーネスGMの脱税騒ぎだ。このニュースは地元週刊誌フォークスが第一報を流した後、大手メディアが追随した。ビルト紙やキッカー誌の報道で一致しているのは、ヘーネスがサイドビジネスとして展開するソーセージ製造・精肉会社の売り上げ4500万ユーロ(約60億円)のうち、2000万ユーロがスイスの銀行口座に隠されていた。すでにへーネスはこの1月に自ら税務署に修正を申し出ており、検察は調査を進めている段階だという。

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