【CL】ドルトムント大勝。クロップ監督「全選手にハグをした」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

4ゴールをあげた殊勲のレバンドフスキー(ドルトムント)4ゴールをあげた殊勲のレバンドフスキー(ドルトムント) チャンピオンズリーグ準決勝はドルトムントがレアル・マドリードを4-1で下した。バイエルンに続いて、ドイツ勢による2夜連続の快勝劇となった。

 ダメ押しのゴールは66分に決まった。ロイスがPKを得ると、この日すでにハットトリックを決めているレバンドフスキーがスポットに立った。クロップ監督はその瞬間、ピッチに背を向け、視界からキッカーの姿を外した。レバンドフスキーの右足は冷静に4点目を奪い、スタジアムは大きく沸いた。キックを見届けなかったクロップ監督はベンチの仲間たちにガッツポーズをしてみせた。レアル・マドリードは1点を奪っており、この4点目は準決勝そのものの行方を左右する可能性のある貴重な得点となった。

 クロップ監督は「我々は信じられない力を出した」と振り返り、モウリーニョ監督は「彼らのほうがはるかに良かった」と、相手を称えた。

 そもそもドルトムントにはレアルへの苦手意識がなかった。今季はグループリーグで対戦し1勝1分。決勝トーナメント進出後はシャフタール・ドネツク、マラガと対戦相手に恵まれてきた感があるが、グループリーグではレアルのほかマンチェスター・シティ、アヤックスと戦い首位突破している。今さら恐れるものはなかっただろう。

 それでもクロップは「レアル・マドリードはとても強く、簡単な試合になるはずもなかった」と、警戒を怠らなかった。

 立ち上がりからドルトムントは試合を支配した。敵陣でプレイする時間が圧倒的に長く、全体を押し上げながら分厚い攻撃を繰り出した。最後の最後でバラン、ペペの2センターバックに食い止められてはいたものの、ペナルティエリア内に侵入し、ゴールに肉薄することはできていた。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る