2013.03.22

【ブラジル】イタリアとドロー。W杯開催国を優勝候補に押せない理由

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

イタリア戦でトップ下として先発したネイマール(ブラジル) ブラジル代表の「グローバルツアー」第2戦が3月21日、ジュネーブで行なわれた。対戦相手はイタリア。新監督にルイス・フェリペ・スコラーリを迎えたその2戦目でもある。

 イングランドと戦った2月6日の初戦は1対2で敗北。芳(かんば)しい出来ではなかった。

 イタリアはそれ以上の強敵だ。現在、世界ランク5位ながら、昨年行なわれたユーロ2012の準優勝国。ブラジルの力を知るにはもってこいの試合といえた。

 W杯でのブラジルの過去2大会の成績はいずれもベスト8。「サッカー王国」としては、物足りない成績だ。自国開催のW杯で課せられた使命はもちろん優勝。スコラーリ新監督にかかる周囲の期待は大きい。英国のブックメーカー各社は、彼が新監督に就任するや、すかさずブラジルをスペインに次ぐ2番手から優勝候補の筆頭に昇格させている。新監督の力を高く評価しているのだ。

「ブラジル人監督に名将はいない」とは、欧州で囁かれる定説だが、スコラーリは唯一の例外。なにより光るのは2002年日韓共催W杯優勝と、ポルトガル代表監督としてチームを準優勝に導いたユーロ2004での実績だ。そのグループリーグではスペインに勝利した実績も見逃せない。

 立ち上がりから試合は打ち合いだった。ブラジルは、ボール支配率でやや上回ったものの、再三にわたりカウンターを食った。イタリアの狙い目はハッキリしていた。例によって高い位置を維持する右サイドバック、ダニエウ・アウベスの背後に単純に大きなボールを蹴り込んでいった。

 しかし一方で、ダニエウ・アウベスは再三にわたり高い位置で相手ボールをカットした。彼はチームの中でひとりだけバルサのサッカーをしていた。すなわち、そうではない周囲との間に大きなギャップを抱えていた。