【CL】バルセロナを大逆転へと導いたシャビのひと言 (3ページ目)
バルセロナのロウラ第二監督は、右サイドバックのダニエウ・アウベスをサイドアタッカーとして高い位置に配し、3バックに近い布陣で試合に臨んだ。そのリスキーなシステムの裏を抜かれ、ミランFWのニアンがGKバルデスと1対1になるシーンもあったが、ニアンのシュートはポストに当たった。幸運の女神はバルサの側についていた。
1-1の同点になることを免(まぬか)れたその1分後、イニエスタがミラン陣内でボールを奪った。そのボールはメッシに渡り、再びメッシの左足が炸裂した。前半39分、バルサは待望の2点目を手に入れ、圧倒的有利な状況でカンプノウに乗り込んできたミランとの差は、ゼロに戻った。
両者ともベスト8進出にはゴールが必要な状況になったが、その均衡を破ったのは、この日センターFWとして先発したビジャだった。後半10分、シャビからのパスを受けたビジャが左足で3点目を押し込んだ。
チームもスタンドも、まるで優勝カップを手にしたかのように狂喜乱舞して祝った。とはいえ、もしもミランが1点を決めたら、トータルスコアが同じ場合、アウェーゴールが多いチームが勝ち上がるチャンピオンズリーグのルールにより、勝ち上がるのはミランになる。その重い事実は誰の頭からも離れることはなかった。
90分を終え、試合はロスタイム。3-0で終了するかと思われたその時、アレクシス・サンチェスのパスを受けて中央から突破したジョルディ・アルバが4点目をマークした。そして、試合終了。『スタジアムすべてが歓喜の渦になる……』のフレーズで始まるバルサのアンセムがスタジアムに流れたが、そのメロディすら、スタジアムの歓喜の声に飲み込まれた。
試合後、ミランのアッレグリ監督は「バルサは世界一であり続けている。メッシ、シャビ、イニエスタの3人がいれば、それはさらに簡単になる」と嘆いたが、そこにもうひとり、セルヒオ・ブスケッツも加えるべきだろう。
ブスケッツの存在なしに、この日の勝利はありえなかった。バルサのパスサッカーの真髄は、高い位置でのボール奪取、そこからスタートする早いパス回しにある。ミラン戦で久々にそれが機能したのは、ブスケッツが攻守を完璧にコントロールしたからだった。
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