【CL】シャルケ敗退。アシストの内田篤人「サッカーって不思議」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Kenzo Koba

ガラタサライ戦に先発フル出場、ドルトムント戦に続いてゴールをアシストした内田篤人ガラタサライ戦に先発フル出場、ドルトムント戦に続いてゴールをアシストした内田篤人 敗戦を告げる笛が鳴ると、内田篤人はその場に立ち尽くした。相手選手と握手を交わし、ベンチからスタッフや味方が駆け寄ってもまだ動けずにいた。ようやく動き出したのは、選手たちがゴール裏のファンへの挨拶を始めてから。いつもなら丁寧に行なうところだが、そんな気力も残っていないのか。あっさり済ませるとロッカーへと向った。その後、取材エリアには早々に現れた。心底がっかりした。そんな心境が伝わってきた。

 内田がぽつりぽつりと話し出す。

「前半の残り10分で試合が終わってしまった。勝てないとしたらこんな感じかなと思っていた」と、セットプレイとカウンターでやられた試合を振り返った。

  試合の入り自体はスムーズだった。だが、徐々にガラタサライにペースを握られる。3日前のルールダービーで負傷したフンテラールを欠くシャルケは、とにかく高い位置にボールが収まらない。ノイシュテッター、ヘーガーの中盤がボールを持てるわけでもなく、自然と内田は最終ラインから出ることなく守備的にプレイ。それでも相手は中央からサイドの裏を巧みに使いチャンスをうかがった。

 先制点はシャルケに入った。前半17分、CKのこぼれ球をノイシュテッターが左足でシュート。これがネットを揺らし先制に成功する。だが、前半の37分にはセットプレイから、その5分後にはカウンターから、どちらもミス絡みでゴールを決められてしまった。

 迎えたハーフタイム、「みんな意気消沈していた」と内田は語る。第1戦は1-1。この時点で、シャルケがベスト8に進出するためにはあと2点とらなくてはならない。残り45分のうちに2点を取り返すことの難しさを考えてしまっていたのだろう。

 だが、後半に入り先に得点したのはシャルケだった。後半18分、ヘーガーのシュートがバーにあたったこぼれ球から始まり、最後はプッキ、内田とつないで、バストスが左足を振り抜きネットを揺らす。

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