【イタリア】ミラノダービー直前。サネッティ、長友佑都を語る (2ページ目)
――プレッシャーが厳しく、精神的消耗が激しいセリエAという環境でコンスタントに活躍を続ける秘訣は?
「多くの人がセリエAはかつての魅力を失ったと言うけれど、他のリーグに引けを取らないほどすごく難しいリーグであることに変わりはないと僕は思っている。対戦するチームの大小にかかわらず、常に高い集中を求められるんだ。降格ゾーンのチームとの対戦ですら上位チームは苦しんでいる。つい最近、僕らも最下位にいたチーム(シエナ)に負けた。でもそういう環境が、僕から常に全力を引き出していると言えるんだ。いつも全力で練習していることが秘訣じゃないのかな」
――昨シーズン、あなたはこれまでの長いキャリアの中で初めてレッドカードを経験しました。退場にならないためにはクリーンなプレイをするだけでなく、アドレナリンが体内で噴出する中で敵からの挑発や汚いファウルに対する精神コントロールを必要としますよね。
「そう、そうなんだよね。あれが初めての退場だった。あれはインテル対ウディネーゼ戦だった。やっちゃいけないことをやったんで、審判は規則に従って僕を外に追い出した。正しい判定だった。僕はキャプテンの腕章を外し、審判と握手をしてピッチを出た。その時、スタジアム全体に拍手が起こったんだ。退場させられた僕に対する観衆のあの反応にはジーンときたよ。あの日、僕は忍耐しきれなかった。キレてしまったと認めないといけないな。なんだかうまくいかない日だったんだ。いつもの僕ならどんなシチュエーションでも我を忘れたりしないんだけど、あの時はそれができなかった。いつもならインテルを守るために審判に抗議をする時は声を荒げたりすることはないんだけどね。普段の僕はカっとすることがない。そういう性格なんだ。ピッチの外でもね。第一、人と何かを解決するために声を荒げる必要なんてない。そういうあまり適切でないことをして威圧しても、それで相手から敬意を払ってもらえるわけではないからね」
――あなたを怒らせることといえば?
「不正といじめ。人を利用したり、ズルをして得しようとする人を見ると、本当に頭にくる。サッカーの世界だろうが、日常生活だろうが、全ての人を尊重すべきだと僕は思う。これは両親からの教えでもあったんだけど、インテルに入った時、これと全く同じことをジャチント・ファケッティにも言われたんだ。彼は特別な人だったよ」
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