【イングランド】13戦無敗も、香川真司不在のマンUに大きな問題点

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

フラム戦で決勝ゴールを決めたルーニー(右)とエルナンデスフラム戦で決勝ゴールを決めたルーニー(右)とエルナンデス 勝ったチームはいじらない。つまり、勝利した次の試合ではあまりメンバーを替えないのが常ではあるが、マンチェスター・ユナイテッドにそれは当てはまらない。前節はサウサンプトンに2-1で勝利。それからわずかに中2日で迎えたフラム戦、ファーガソン監督はあっさりと6人のメンバーを入れ替えてきた。香川真司もベンチのまま出場機会は訪れず、交代出場したのはエルナンデス、ギグス、ウェルベックの3人だった。

 毎試合、得点と90分間フル出場への強いこだわりを口にする香川。過密日程とはいえ、出場機会のない試合があるということ自体に、おそらくまだ慣れないでいるだろう。

 試合は互いに攻め合う展開。ファーガソンが「フラムにもチャンスはあったが我々はGK(デ・ヘア)、リオ(・ファーディナンド)、ジョニー(エバンス)の努力に助けられた」(公式サイトより)と守備陣を称えた。アウェーでもあり、それなりにフルハムに押し込まれるシーンもあった。

 立ち上がりはフラムがチャンスを作るが、マンUは前半8分、相手GKからのこぼれ球をエブラがシュート。惜しくも枠に弾かれたところをさらにルーニーがシュートするが、これもDFにクリアされる。

 感触としては双方悪くない出だしだったが、徐々にペースはフルハムがつかんでいく。マンUの問題点は明らかで、攻撃のスピードが一向にあがってこないことにある。中盤以下と前線の意図が噛み合わず、なかなか前にまでボールが通らない。ファン・ペルシーにもいつものようなチャンスは訪れずに時間だけが過ぎていった。

 また、ナニ、バレンシアの両サイドも、得意のドリブルで迫ろうとするあまりに中との呼吸がなかなか合わない。カウンターができずにいる状態に、香川がいれば多少の変化がつくだろうと思わずにはいられない展開だ。前半終了間際にはスタンドの照明が停電するという珍しいハプニングもあった。

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