【CL】好感度の高い地方クラブ。好調マラガは台風の目になるか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

チャンピオンズリーグのACミラン戦で見事決勝ゴールを決めたマラガのホアキン・サンチェスチャンピオンズリーグのACミラン戦で見事決勝ゴールを決めたマラガのホアキン・サンチェス マラガの地元紙には試合の翌日、天を指さすホアキン・サンチェスの写真とともに、こんな見出しが載っていた。

「HISTORIA(歴史的)」

 10月24日に行なわれたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・グループリーグ第3戦は、今季がCL初参戦のマラガ(スペイン)にとって最初に迎えた山場だった。相手は、ヨーロッパチャンピオンの座に7度も就いたことのあるイタリアのミラン。今季は経費削減のあおりを受け、戦力の著しい低下が見られるとはいえ、ヨーロッパを代表するクラブであることに変わりはない。そんなミランを相手にマラガは終始試合の主導権を握り、1‐0で勝利した。それはまさに、歴史的勝利だった。

 この勝利で、マラガはグループリーグ3連勝。3試合を終えて全勝は、他にバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、ポルトがあるだけだ。しかも、ここまで無失点はマラガのみ。得失点差+7は全クラブ中最多である。

 無失点という結果が示すように、マラガの強さの理由が、まずはディフェンスにあることは間違いない。ミラン戦でも、攻撃から守備への速い切り替えで常に高い位置からプレッシャーをかけ続け、楽にパスをつながせなかった。ミランは、モントリーボ、アンブロジーニの2ボランチから自由が奪われては、攻撃の組立てがままならないのも無理はなかった。

 その結果、ミランの前線ではパッツィーニやエルシャラウィが孤立。強引に縦へボールを送っても、デミチェリス、ウェリトンを中心とするマラガDFラインにことごとくつぶされた。ミランがなかなかチャンスを作れなかったのは、戦力低下ばかりが理由ではない。

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