レアル・マドリードの内紛。モウリーニョと選手の関係修復はできるのか?

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michko

 発端は、2週間以上も前になる。今季、チームが勝てない原因は選手にあると指摘したレアル・マドリード監督のモウリーニョに対し、「責任は全員にあるし、今は犯人探しをする時じゃない」とセルヒオ・ラモスが発言。

 その結果、セルヒオ・ラモスはチャンピオンズリーグ初戦でスタメンを外されたのだった。第2キャプテンであろうが、指揮官にたてつくことは許さないというモウリーニョの意思表示だったが、セルヒオ・ラモスもおとなしく引き下がる器ではない。

「僕は自らの考えと心中するよ。なんで気にいらないことがあったら、黙らなければならないんだい?」と言い切ったのだ。

 先週末、レアルがリーグ戦で大勝した試合(デポルティーボ・ラ・コルーニャに5-1で勝利)で、セルヒオ・ラモスが自分のユニフォームの下に、エジルのユニフォームを重ね着していたことが発覚した。

 その時、エジルはハーフタイムにモウリーニョに怒鳴られた挙句、交代を命じられていた経緯があった。

 自分の行為がモウリーニョへの反逆と受け取られたセルヒオ・ラモスは、「ずいぶん前から今季初ゴールは彼に捧げようと決めていた。今日の試合が初ゴールになるかと思ったから」とツイッターで釈明(セルヒオ・ラモスは結局ゴールを決めていない)。

 しかし、一昨日、ラモスとの関係について聞かれたモウリーニョが、「妻との関係の方がもちろん、セルヒオとの関係よりずっといいよ」と皮肉をこめて答えたため、ふたりの関係修復の先行きは不透明なままだ。

 勝利によってこの淀んだ空気を一掃したいレアルだが、果たして、こうした内紛の影響をピッチに反映させずに結果を出し、試合を乗り切ることができるのか。

 サッカー以外の部分でのプレッシャーも抱えながら、レアル・マドリードはチャンピオンズリーグ、そしてクラシコに臨むことになる。

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