【イギリス】40年ぶりの五輪代表はどんなチームになるのか

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Getty Images

W杯やユーロに縁がなかったギグスのキャプテンシーに期待がかかるW杯やユーロに縁がなかったギグスのキャプテンシーに期待がかかる それにしても慌ただしい。まだユーロ2012の余韻が残っているというのに、次はロンドン五輪である。

 先日、その五輪で注目を集めるチームGB(イギリス代表)のメンバー18人が発表された。ご承知のとおり、選出を予想する声も多かった元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムの落選には賛否それぞれの声が寄せられた(35人の予備登録メンバーには入っていたとされるだけに驚きの声は多いが......)。そして、ロンドンでの自国開催が決まって以来、絶えず議論の的となっていた注目の4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)の内訳は、イングランドが13人、ウェールズが5人ということに落ち着いた。

 そもそもW杯やユーロには4協会がそれぞれ独立チームを送れるのに対し、五輪にはイギリス代表としてしか参加が認められないのはなぜかといえば、五輪は単一国家としての出場が大原則であると同時に、1904年設立のFIFA(国際サッカー連盟)が、それ以前に発足していた各協会に敬意を示してのことである。

 他の競技では、これまでも4協会の選手が混在するイギリス代表が五輪に参加してきた。ただ、サッカーについては1960年のローマ五輪に出場したあと、72年のミュンヘン五輪予選に参加したのを最後に、この40年間、チームさえ作らずにいた。92年バルセロナ五輪、96年アトランタ五輪、08年北京五輪では、イングランドやスコットランドが五輪予選を兼ねたU‐21欧州選手権で結果を出し出場権を手にしていたが、それも辞退してきたのである。

 しかし自国開催に向けては英国オリンピック協会の働きかけもあり、"真のイギリス代表"を結成すべきとの声が強く、昨年秋に就任した元イングランド代表のスチュアート・ピアス五輪代表監督がどんなチーム構成にするのかが注目されてきた。

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