【スペイン】タレントの宝庫が目指す五輪20年ぶりの金メダル

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • ムツ・カワモリ●写真 photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

セネガル戦では無得点に終わったムニアインセネガル戦では無得点に終わったムニアイン 日本がロンドン五輪のグループリーグ初戦で対戦するスペインは、ユーロ2012での活躍が記憶に新しいジョルディ・アルバをはじめ、選手ひとりひとりがすでに高い知名度を誇っている。そんなチームが目指すのは、フル代表に続く成功だ。

 7月3日、22人の五輪代表候補が発表された。その中にはU-21欧州選手権でスペインを優勝に導いたカペル、ジェフレン(ともにスポルティング・リスボン)や、ボジャン、ホセ・アンヘル(ともにローマ)、ブスケッツ(バルセロナ)といった、クラブレベルでは大活躍中の選手の名前はなかった。他国であれば議論を呼びそうな決断だったかもしれないが、スペインでは逆に監督の苦悩を察するほどの余裕があった。スペインには彼らの存在を忘れさせるだけの人材が揃っているからだ。

 GKには香川がチームメイトとなるデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)。DFラインには大津のチームメイトであるドミンゲス(ボルシアMG)、昨季、自陣からのロングシュートを2度も決めた状況判断に優れるイニゴ・マルティネス(レアル・ソシエダ)、そしてジョルディ・アルバ(バルセロナ)がそろう。

 中盤に人材が溢れているのはフル代表と変わらない。南アW杯、ユーロ優勝メンバーのマタ(チェルシー)とハビ・マルティネス(ビルバオ)。突破も組み立てもできるイスコ(マラガ)、ビルバオのメッシと呼ばれるムニアインらが名を連ねる。

 FWにもU‐21欧州選手権得点王であるアドリアン(アトレティコ・マドリード)、強引にシュートを放ってチームメイトのメッシを怒らせたこともある強心臓のテージョ(バルセロナ)と、サッカーファンなら一度は名前を聞いたことがある選手がそろっている。

 個々の選手はよく知られているとはいえ、五輪代表はどのようなサッカーをするのだろうか。監督のルイス・ミジャは「フル代表とコンセプトは同じ。高い技術をベースとしたボール支配がチームのスタイルだし、そのサッカーをするだけの人材は揃っている」と、語っている。ロンドン五輪の優勝候補はフル代表と同じスタイルで戦うチームになりそうだ。

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