2012.07.03

【EURO】総括!実力的にスペインと遜色なかったドイツ、ポルトガル

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 原悦生●写真 photo by Hara Etsuo

今大会の最優秀選手に選ばれたイニエスタ 2008年ユーロ、2010年W杯に続き、スペインを超えるチームは現れなかった。スペインが強すぎるのか。周囲が停滞しているのか。両者の比重は4対6。他国の停滞がやや大きかったと僕は見る。

 打倒スペイン。その1番手と目されていたドイツが、準決勝でイタリアに敗れたことが今大会一番のハプニングだった。ドイツとイタリア。スペインにとってどちらが嫌な相手だったかと言えばドイツになる。イタリアよりドイツの方がスペインの穴を突きやすいサッカーをしていたからである。

 スペインの3FWは、両サイドが中央に入り込む傾向がある。両サイドをサイドバック各1人でカバーすることになる。その背後を唯一最大の弱点にしていた。サイド攻撃を得意とするドイツに「期待」を寄せたくなる大きな理由だった。
 
 大会前の下馬評でも、ドイツはスペインに迫っていた。本大会の初戦でスペインがイタリアに引き分けると、ドイツとスペインの関係は逆転。一躍ドイツは本命の座に祭り上げられた。だが、両雄の直接対戦は実現しなかった。イタリアにそれを阻まれてしまった。

 必然、イタリアへの「期待」は高まった。グループリーグの第1戦でスペインに1-1で引き分けた実績も輪を掛けた。内容もあわやの期待を抱かせる、上々の出来だった。イタリアは世の中の声援を受けながらスペインとの決勝対決に臨むことになった。
 
 一方で、準決勝から中2日で望むことになった、その試合間隔の短さが危惧された。これにワルシャワからキエフへの移動が加わる。イタリアサッカーが決勝で全開する姿は、そういう意味では想像しにくかった。