2012.06.06

【ドイツ】香川真司マンU移籍発表、ドイツ国内の反応は?

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

オマーン戦に出場した香川。この時期の発表には本人も戸惑っている様子だった ついに香川真司のマンチェスター・ユナイテッド移籍が決まった。5日午前、マンチェスター・ユナイテッド、ドルトムントの両クラブが、本人を含めた3者間の合意を発表した。もっとも日本代表の練習に参加していた香川自身は「完全に合意していない。交渉はしているがサインはしていない」と話している。このあたりの慎重な物言いはいかにも香川らしい。

 実際のところ、フィジカルチェックと英国の労働許可取得という2つのプロセスを残しており、香川もサインそのものはしていない。加えて、W杯最終予選2試合が目の前に控えており、話題をそらしたいのもわかる。だがそんな諸事情よりも、香川らしいと思うのは、彼が「自分のことは自分で決めたい」と言い続けてきたからだ。

 かつてC大阪からドルトムントへ移籍する半年前にも、香川は欧州に出向きいくつかの試合を観戦した上で決めている。「いい判断が自分でできて良かったと思っている」と、その当時を振り返って満足そうな表情を見せることもあった。世界レベルのビッグクラブ移籍を前にしても、最後の決断は自分で下すという香川らしい一面は消えていない。

 今回の発表はドイツではどのように報じられたか。キッカー誌は、わずか35万ユーロ(現在のレートで約3500万円)でC大阪からやってきた香川が2年間で3つのタイトル獲得に貢献。49試合に出場し21ゴールを挙げ、そして今、1500万ユーロの移籍金をドルトムントにもたらそうとしている、と半ば事務的に報じている。

 一方、ビルト紙は、移籍決定の第一報から「この特別な2年間に残した彼の功績には感謝している。プレミアリーグでの成功を祈っている」というドルトムントのツォルクスポーツディレクターのコメントを併せて引用。祝福ムードを強調していた。大衆紙・ビルトらしさを発揮した記事がオンライン上に出たのは5日深夜になってからのこと。そこでは最低でも1500万ユーロといわれる移籍金をどう使うかを徹底分析している。巨大ファンショップに200万ユーロ、スタジアム改修に150万ユーロ、など。あからさまなのがビルトらしいし、ドイツらしい。