【インタビュー】大滝麻未「リヨンでのプレイがなでしこにつながれば...」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

――練習から得るものも多いですか?

「いまはアピールしなきゃいけないということもあって、気持ち的に試合よりも練習のほうが緊張しちゃいますね。でも代表などに入れば、そうした緊張感も出るだろうし、慣れるっていう意味ではいいかもしれません」

――プロのサッカー選手になって変わったと思うことなどはありますか?

「ケガに対する考え方は変わったと思います。大学時代は正直、予防にそれほど気を使っていなかったですけど、プロになった以上、ケガはできないので、そこはいちばん変わりました」

――ロンドン五輪を控え、なでしこジャパン入りの期待もあります。

「もちろん、なでしこに入れればという気持ちはありますけど、いまはリヨンで何ができるかを探したいという気持ちの方が強いです。ここでプレイすることがなでしこにつながればいいですが、まずは目の前のことをしっかりやっていきたいと思います」

 チャンピオンズリーグ準決勝セカンドレグでは、ファーストレグで4点差がついたことで出場のチャンスが広がり、大滝も懸命の調整を続けてきた。しかし、最後までベンチに座る大滝に声はかからなかった。試合後、彼女の目には涙が浮かんでいた。

「うれし涙です。今日はチャンスあると思ってたんで、ちょっと悔しかったですけど。でも、自分で決めた道なんで、あきらめずにやりたい。決勝まで3週間あるので、後悔はしたくないし少しでもチャンスをもらえるように全力でアピールしたい」

 リヨンで出場機会を得れば、一気になでしこ入りへの道も開けるはず。本人は「まだまだ」と謙遜するが、誰より期待しているのは、この日スタジアムに視察に訪れていた、なでしこジャパンの佐々木則夫監督かもしれない。


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