【ドイツ】バイエルン下したドルトムント、香川の「うれしさと悔しさ」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 相手を背負った状態で、中盤からのパスを味方に落とすシーンでのミスも多かった。そこから相手ボールとなり、チャンスから一気にピンチにつながることが何度か見られた。
 
 ハーフタイムを終えた香川は、鼓舞するかのように太ももを叩きながらピッチへ向かった。相当な疲れがたまっていたのだろう。勝ち気な香川にしては珍しく、「疲れが足に来た。90分体力が持たなかったのは課題」と素直に認めている。

 香川が退いたのは後半29分。その1分前には、香川にとってこの日最大のチャンスが訪れている。ゴール前やや左からシュートを放つが、しっかりと打ち切れず、右に流れてしまった。交代から3分後に生まれた得点でチームが勝利を決めると、メンバーと抱き合い喜びあった。

 しかし試合後は、「どうしても勝ちたかったので勝てて良かった。うれしい」と話しながらも、表情からは悔しさがにじみ出た。「ベストコンディションで迎えたい。楽しみ」と話していた大一番での低調なパフォーマンスは、自分でもふがいなく感じられたのだろう。

 うれしさと悔しさ、どちらが強いかと尋ねると「うーん、いろいろ。半々くらい」と苦笑いを見せ、気持ちを切り替えた。

「次はシャルケ戦。彼らは勝ちにくるからそれに負けないように、勝たないといけない」

 落ち込んでいる暇はない。次戦は中2日でやってくる。

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