2012.03.23

ジョージ・ウェア、エリック・カントナ…プレイは政治の票に結びつかない

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki
  • photo by Getty Images

米共和党大統領候補に最も近いミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事。かつてソルトレイクシティー冬季五輪の顔をつとめた。【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】政治家とスポーツ(後編)

 いまスポーツは、政治の世界でもっと大きな力を発揮するかもしれない。経済危機のせいで既成政党の政治家への信頼が失われているためだ。

 先頃行なわれたロシア大統領選では、NBAのニュージャージー・ネッツのオーナーで大富豪のミハイル・プロホロフが出馬したが落選した。しかし来年には、アメリカだけでなくパキスタンでも「スポーツ系政治家」の率いる政府が生まれるかもしれない。

 今パキスタンで「首相にしたい人」の世論調査でトップに立っているイムラン・カーンは、「スポーツ系政治家」としては珍しいタイプだろう。彼は実際にスポーツをやっていたからだ。

 スポーツをプレイすることは票に結びつかない。汗を流して走り回ることが政界で働くための理想的な準備になるとは言いがたい。

 リベリアの元フットボール選手で国民的英雄であるジョージ・ウェアでさえ、2005年のリベリア大統領選では僅差で敗れた(現役時代のウェアはベルルスコーニのACミランでプレイしており、彼を人生の師と思っていると僕に語ったことがある)。元フットボール選手のエリック・カントナはフランス大統領選への出馬をほのめかしていたが、結局は名乗りをあげなかった。もともと現実的な話でなかったことはカントナ自身が知っていたし、彼はホームレスの窮状を世間に伝えたいだけだ。