2012.03.20

【スペイン】首位独走。好調レアル・マドリードの強さの要因

  • 山本美智子●取材・文 text by Michiko Yamamoto
  • ラファ・ウエルタ●撮影 photo by Rafa Huerta

今季ここまで得点ランクトップのクリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリードの攻撃の中心

 現在、27節終了時点で23勝2敗2引き分け、勝ち点71でスペインリーグの首位を独走しているレアル・マドリード。2位バルセロナとの勝ち点差は8。ここまでの強さを見せたのはベッカムやジダンが活躍した「銀河系時代」以来だ。

 周知の通り、ジェントルマンのイメージにはほど遠く、時に無礼とも言える奔放な発言を繰り返すジョゼ・モウリーニョは、レアル・マドリード監督に就任した当初から、自分を中心にしたクラブ作りをフロレンティーノ・ペレス会長に約束させた。

 クラブ内部の細かい事情を明かせば、戦術面でモウリーニョと対立することの多かった強化担当ホルヘ・バルダーノはクラブを去るハメになった。また、モウリーニョのマスコミ対応がレアル・マドリードというクラブとしてふさわしくないのでは、と考えた広報担当者もクラブを離れざるを得なくなった。

 いまや会長の右腕となったゼネラルディレクター、エミリオ・ブトラゲーニョは、そんなモウリーニョの理解者であり、モウリーニョが批判される度に会長に代わって公に監督を庇(かば)う役目も背負った。まずは、モウリーニョが動きやすい環境を作りだすことが、ピッチで成果を出すための最大の策だったのだ。

 環境が整った状況で、モウリーニョは実力を発揮し始めた。それに加え、モウリーニョのもとでクリスティアーノ・ロナウドやベンゼマが成長した。

 若くして成功を収めたロナウドやベンゼマは、安定感に欠けるきらいがあり、特にベンゼマは、自身の体重コントロールに問題を抱えていた。そのために安定した力が出せず、才能や技術はあっても、プレイについての自信が揺らぐことが往々にしてあった。

 しかし今季、ベンゼマは変わった。モウリーニョと、スポーツディレクターであるジネディーヌ・ジダンの助けもあって、フィジカルの改善に成功したのだ。

 ディエゴ・マラドーナも通ったという、世界的に知られているイタリアのデトックスダイエット専門施設を訪ね、体脂肪率は9%まで下がった。1週間滞在して4150ユーロ(約45万円)かかるというダイエットを行なった効果が出て身軽になったベンゼマは、現在、シーズンの合計ゴール数の自己記録を更新寸前だ。

 昨季、リーグ戦で15ゴールを決めたが、今季は10試合以上残してすでに14ゴール3アシストをマーク。ロナウドが華々しく活躍しているために目立たないとはいえ、このベンゼマの地味な復活、そして、スタメンを保証されていないにもかかわらず17ゴールを決め、着実に結果を出すイグアインがいて、現在のマドリードの攻撃は機能している。この3人でレアルのゴールの65%が量産されているという統計も出ている。