なぜ最年少ゴールは外国人監督のもとで生まれるのか 16歳・三井寺眞の衝撃が突きつけた日本サッカーの課題 (3ページ目)
かつて筆者はリオネル・メッシのラ・リーガでのデビュー戦に立ち会ったことがあるが、試合後のフランク・ライカールト監督の明快な発言は今も忘れられない。
「レオ(メッシ)はトレーニングで試合に出るだけのプレーをしていた。だから使った。チームのためになると思ったからだ。彼へのご褒美ではない」
結局のところ監督の真価は、練習で選手の特性や力量を見極められるかだろう。それ以上でも以下でもない。単なる減点法を用いるなら誰でもできる。ライカールトが目利きであり、年齢への執着がなかったから、メッシという革命的選手のキャリアが生まれたのだ。
森保監督を含めて、日本人監督の能力が低いというわけではない。慎重さが吉と出る局面もあるのだろう。しかし、年功序列の気配は消えておらず、それが革新的なリーダーを生み出せない理由だとしたら......。イノベーションは、ある理論を前提とし、そこから論理的に正しい答えを引き出すような演繹的思考では実現しないのだ。
三井寺のデビュー戦ゴールは華々しかったが、森保監督の後任問題でも影を落とした"日本人監督事情"に対する"苦み"のようにも感じられた。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
3 / 3


