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ロングスローの進化が止まらない! 水沼貴史&平畠啓史がルヴァンカップ決勝で飛び出した必殺技を考察 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【ロングスローの威力】

水沼 それで、佐々木翔が試合後に「セットプレーの強みが出せました」と言っていたんですが......。出ましたね、ロングスロー。

平畠 出ましたね~。

水沼 中野就斗のロングスローの距離、すごくないですか? なんかあれで肩をちょっとケガしていたらしいですよ。

平畠 ロングスローって昔なら和多田充寿(元ヴィッセル神戸ほか)さんとか、距離も飛んでスピードもあるボールを投げていましたよね。だけど、それをゴールに結びつけようというのは、昔はあまりなかったですよね。

水沼 確かに、合わせる人の入り方とか、守備側の選手をブロックするとかまではなかった。

平畠 だから、ロングスローはいつから「点を取れる武器」に変わったのかなと。

水沼 青森山田高校じゃないですか? そして、黒田剛監督からFC町田ゼルビアみたいな。昔から投げる人はいたけど、中で勝てる人がいないと無理でしょうから。

 今回は投げて、それを荒木隼人がそのままゴールするという。直接ヘディングで入れるって、なかなか見ないですよね。

平畠 ちょっと遅れ気味に入っていって合わせました。

水沼 ボールが来る場所に最初からいるのが今までの大体の手だったのが、スペースに投げてそこに入っていく。

平畠 距離が出ても、コントロールがよくなかったら、そこへ行かないですよね。ロングスローばかり練習しているわけではないという話はちょっと聞いたんですけど。だから、ある程度投げる人の技量があって、中で決められる人がいたら、ゴールが生まれるということですよね。

水沼 この試合、中野は9本投げました。

平畠 投げたボールの軌道が垂れないというか。放物線じゃなくて真っすぐ行くのがすごいですよね。

水沼 ゴール前で合わなかったら、もっと行っているということですよね。普通クロスだと、中が混雑していると一回ファーサイドに振って、折り返してもう一回行け、みたないのがあるけど、それをロングスローでやって頭で折り返して中でヘディングシュートってなったら、もうヤバいですね。

平畠 今の感じだったら、それぐらい投げられる人も出てくる気がしなくもない。やっぱりロングスローはすごいし、今回その威力をまざまざと見せられた感じがしました。

水沼 レイソルはロングスローに対する回答を持ってなかったと言っていたじゃないですか。

平畠 あれはマンツーマンでマークしたら、なんとかなるもんなんですか?

水沼 いや、ならないでしょう。FWを前線に残して相手の選手をたくさん上がらせないようにするとかあるようですけど。それでスペースを広く作っておいて、GKが出やすくすると。CKの守備と同じような考え方ができますよね。

平畠 この駆け引きは、もうひと展開、ふた展開あってもいいですね。ロングスローを投げる人、それを守るチームがどうやって対抗していくか。そして対抗されたらどうやり返すか。

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