ロングスローの進化が止まらない! 水沼貴史&平畠啓史がルヴァンカップ決勝で飛び出した必殺技を考察 (3ページ目)
【投げる前の準備もサッカーの面白さ】
水沼 いろんな話題を提供してくれるのがいいですよね。スローインだけでこれだけ盛り上がれるという。
平畠 以前、岩上祐三選手がSC相模原に移籍した時に、最初のゲームでロングスローを投げる場面があったんですよ。岩上選手が準備している時、もうそれだけでスタジアムが盛り上がっていたんです。ロングスローを投げるのは知っているけど、相模原の方も生では見たことがないわけです。だから期待感がすごいんですよね。「どんだけすごいんだろう」みたいな。
水沼 いいですね。投げる前にいろいろ準備して「もっと早くやれよ!」とかあるんだけど、その準備しているところを観客が見てざわつく感じは結構好きなんですよ。
平畠 そこもサッカーの面白さと捉えていただけるといいですよね。アクチュアルプレーイングタイムを増やしていくのも大事ですけど、ちょっとおまけというか、のりしろみたいなのがあるじゃないですか。そこも楽しみたいんですよ。
サッカーって基本はずっと動いているので、メリハリじゃないけどちょっと止まったところで、「何するんだろう?」みたいな、こっちに考える隙を与えてくれると楽しいんですよね。
水沼 戦術ですからね。広島はなかなか流れから点が取れずに、ここ数試合ずっと苦労していたわけですよ。それが自分たちの強みのセットプレーで点を取って勝った。
平畠 ストロングポイントって相手も消してくるから、なかなかそれが使えないことも多い。でもそこで勝ちきったのはすごいですよ。
水沼 レイソルとしては本当に悔しいでしょうね。
平畠 悔しいと思いますよ。細谷真大選手のゴールはよかったですけどねえ。でも、今回はこのロングスローで決まりですよ。
水沼 悔しいレイソルですが、リーグ戦に集中ですね。
平畠 首位(鹿島アントラーズ)と勝ち点1差です。今回の悔しさをバネに残り3試合です。
水沼 挽回するチャンスがあります。楽しみですね。
著者プロフィール
水沼貴史 (みずぬま・たかし)
1960年5月28日生まれ。埼玉県出身。浦和南高校、法政大学で全国優勝を経験。JSL日産自動車でも数々のタイトルを獲得し、チームの黄金時代を築いた。日本代表では国際Aマッチ32試合出場7ゴール。Jリーグスタート時は横浜マリノスで3シーズンプレー。引退後は、横浜F・マリノスのコーチや監督を務めた。現在は解説者として活躍中。
平畠啓史 (ひらはた・けいじ)
1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。
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