【Jリーグ】鹿島アントラーズのキム・テヒョンが日本に来て受けた衝撃「イチからサッカーを学ぶ感じでした」 (3ページ目)
【日本でイチからサッカーを学んだ】
そんな韓国の"ハイスペック天然素材"がJリーグと出会った。2022年、ベガルタ仙台にレンタル移籍したのだ。
Jリーグ行きの話は、自ら強く望んだというよりはエージェントが提案してくれたものだった。
レギュラーを張った2部リーグ(2019年大田ハナシチズン、2020年ソウルイーランドFC)時代の映像が作成されたはずだが、本人は細かいことを知らない。
売り文句は「韓国U-23代表のセンターバック」だった。しかし、原崎政人監督(当時)率いるチームに加わり、衝撃を受けた。
「もう、イチからサッカーというゲームのプレーについて学ぶ感じでした。しっかり蹴ってパスを出して、ポジションを変える。基本をまず重要視する。ビルドアップする時の距離感とか動き、そういうのが日本で、またあらためてやり直すような感覚でした」
Kリーグ時代「新人は無条件で1日3度のトレーニング」を課されたこともあった本人にとっても、Jリーグのトレーニングは「別の意味でキツかった」という。
「なぜ今、自分はこの年齢(当時22歳)でこんなことを学んでいるのか。そんな葛藤もありました。日本の選手たちはこういったことを若い時から学ぶのか、と。韓国にも技術的に高い選手はいますが、日本の選手たちはこういった個人戦術のベースがあるのだなと感じたものです」
それでも、1年目からJ2リーグで30試合の出場機会を得た。日本人選手だけでは補えない特徴を持っていたからだ。本人は当時をこう振り返る。
「まず左利きという特徴は必ずチームのなかで生かそうと。ビルドアップ時のキックでしっかり展開できるところ。そしてスピードや、フィジカル、攻撃的にプレーすること。そういった点には自信がありました」
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