【Jリーグ】ジーコも喜んだ鬼木監督の"復帰" 9季ぶり優勝に近づく鹿島アントラーズの今季を象徴する2試合とは? (2ページ目)
【多彩なフィニッシュで得点ランキングのトップに立つレオ・セアラ】
鬼木監督の理想はもっと緻密に攻め倒すサッカーだが、現在の鹿島はいい意味で豪快さや荒っぽさに、元来備える高いセンスや技術が絶妙にマッチし、勝点を積み上げてきた。そのあたりのハラハラもヒヤヒヤもさせられる表裏一体が魅力であり、不安要素であり、伸びシロにもなっている。
また、今オフにセレッソ大阪から加わったレオ・セアラの存在に、言及しないわけにはいかない。昨季得点ランキング2位(21得点)のブラジル人ストライカーは新天地でも活躍し、ここまでリーグ戦トップの18ゴールをマークしている(第33節終了時点)。
鬼木監督のもと、ビルドアップによる崩しとハイプレスからのショートカウンターを使い分けるなか、レオ・セアラの多彩なフィニッシュワークがハマり、得点王とリーグ優勝を手にする勢いにある。
また、あらゆる局面でボールを保持でき、パンチ力も備えるエースの鈴木がいることで、マークは分散される。チャヴリッチ、田川亨介、松村優太、荒木遼太郎、エウベルら(負傷離脱するまでの師岡柊生も)、アタッカー陣はこのリーグ最強2トップを生かし、生かされ、それぞれが試合ごとに輝きを放った。
守備陣にも特筆すべき選手がいる。関川郁万の長期離脱によりチャンスをつかんだ韓国代表DFキム・テヒョンは、高精度のロングキックを新たなプラス要素としてもたらした。安西幸輝を欠いた左サイドバックには本職である小川諒也が加わり、さらに横浜F・マリノスから加入した小池龍太もバランス能力の高さを発揮。サイドで起点を作れるエウベルも夏に横浜FMから加入し、鹿島のカラーにすぐ馴染み、小池や小川との連携を深めている。
鬼木監督がローテーション起用を続ける特徴の異なるボランチ勢(柴崎岳、三竿健斗、舩橋佑、樋口雄太、知念慶)、チャンスで結果を残し続けるプロ3年目、21歳のDF津久井佳祐の存在も忘れてはならない。ターレス・ブレーネルもピッチに立てば異彩を放つ。千田海人の力はここから間違いなく必要になるはずだ。強力2トップが最大の武器だが、ピッチ上のみならず、全員が連動し合っている。
2 / 3

