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FC町田ゼルビアのドレシェヴィッチの断食期間の生活リズムとは シーズン中でも「すっかり慣れた」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【日本のファンはすばらしいと思う】

 日本のサポーターにも、好感を抱いている。FC町田ゼルビアは野心高いクラブで、残念ながら現状維持で満足しているようなクラブがあるJリーグにおいて、目立つ存在だ。ファンとしても、熱く応援する甲斐があるだろう。

「町田、そして日本のファンはすばらしいと思う。大好きだよ。僕が以前にプレーしていたトルコのファンと比べると、もちろんおとなしい。特にトルコのビッグクラブ、ガラタサライやフェネルバフチェ、ベシクタシュのサポーターは、本当にクレイジーだから。発煙筒を炊き、唸り声をあげ、時には喧嘩を始めることもある。一方、町田のファンはそこまでクレイジーにはならないけど、大声援で僕らを後押ししてくれる。そして選手に対するリスペクトを示してくれるね」

 その後、町田はドレシェヴィッチが先発を外れたアビスパ福岡とのアウェー戦を2-2と引き分けたが、彼が先発に復帰した敵地でのガンバ大阪戦は1-0とクリーンシートの勝利。第9節終了後には首位に立った。

「今季も昨季と同じように、リーグ優勝を狙う」とドレシェヴィッチは言った。

「今シーズンは途中からAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参戦するので、序盤戦でできるかぎり多くの勝ち点を手にしておきたい。天皇杯、リーグカップもあるしね。自分もチームももっともっと成長できるはずだ」

 町田が勢いを維持できている要因のひとつに、バルカン半島にルーツを持つスウェーデン人DFの存在があるのは間違いない。
(おわり)

ドレシェヴィッチ 
Ibrahim Drecevic/1997年1月24日生まれ。スウェーデン・リッラ・エデット出身。エルフスボリのユースチームから2016年にトップチームへ。2019年にオランダのフェーレンヘーンへ移籍して活躍。2022年からはトルコのファティ・カラギュムリュクで2シーズンプレー。2024年からFC町田ゼルビアでプレーしている。ユース年代ではスウェーデン代表を選択していたが、A代表では2019年にコソボ代表でのプレーを選んだ。

著者プロフィール

  • 井川洋一

    井川洋一 (いがわ・よういち)

    スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。

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