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【Jリーグ】FC町田ゼルビア新シーズンのキーマンたち 攻撃はセフン一辺倒からの脱却を目指す (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【質の高いターンオーバーができるか】

 そして、黒田監督がキャンプからとりわけ強調し、何度も聞かれたワードが「ACL」である。

「今年はACLもあるなかで、2チーム分とか、誰が出ても同じサッカー、同じ強度でやれることが我々の目指すところ。ケガ人がひとり出たくらいでガタっと落ちるようでは話にならない」

 補強に成功した今季は、まさに2チームを組める選手層を有している。キャンプ中はメンバーを固定せず、さまざまな組み合わせをシャッフルしながら各ポジションで激しい競争を促した。

「ひとつのプレー、ひとつのミスでポジションが変わってしまうこの激しい競争のなかでやれるのは、本当に幸せなことですね」

 岡村がそう語るように、ゲーム形式のトレーニングでも選手の入れ替えやポジションチェンジは頻繁に行なわれる。また、連係のとれた特定のユニットもできつつあるように感じる。

 そのなかで、誰がどのポジションで先発し、日程が過密になってきた時にどのようにメンバーを回していくのか。また、今季からベンチ入りがふたり増え、その枠をどう活用するのか。質の高いターンオーバーとベンチワークも今季の町田のポイントである。

 複数のリーダーの発掘、セフン一辺倒からの脱却、新戦力の融合、そして充実した選手層を生かしたターンオーバー。昨季3位の結果に満足せず、確実にアップデートされている。

 手が届きそうだったリーグタイトルを今季は獲得できるのか。2年目のJ1に挑戦する町田に注目だ。

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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