Jリーグ2025シーズンの順位予想 松原良香がJ1全20チームを戦力分析 (3ページ目)
【楽しみと不安が混在】
7位のガンバ大阪は、昨季、守備が大幅に改善され、みるみるうちに力をつけると最終的に4位となり、ラスト5試合も4勝1分と終わり方も最高だった。ただ、MFダワン(北京国安)とFW坂本一彩(ウェステルロー)の放出はかなりの痛手。この穴を埋める補強ができていないのは大きな懸念材料だ。
8位の名古屋グランパスは、昨季は守備の主軸を引き抜かれ、序盤は苦労した。それでもルヴァンカップを優勝したのは、長谷川健太監督のさすがの勝負強さ。ただ、補強したGKシュミット・ダニエル(ヘント)が長期離脱の怪我をしたのは痛恨。FWマテウス・カストロ(アル・タアーウン)もかつてのキレがあるのかは未知数である。新キャプテン・和泉竜司のリーダーシップが鍵を握りそうだ。
9位の浦和レッズは他のクラブが羨むような多くのタレントを有している。今冬もMFマテウス・サヴィオ(柏レイソル)、金子拓郎(コルトレイク)、FW長倉幹樹(アルビレックス新潟)など、一級品を補強した。しかし、昨季の最終節の様子を見るに、果たしてこれだけのタレントを生かしきれるのかが疑問。本来であればこの順位よりもっと上、優勝候補に入って然るべきだ。
10位の川崎フロンターレは前監督とはまったくスタイルの異なる長谷部茂利監督を招聘した。スタイルは違うかもしれないが、結果という面では手堅い監督だ。個々の役割を明確化してくれるので、選手たちはすごく納得ができる指揮官である。個人的にはFW山田新に非常に期待している。ゴールに対して野心的で突き刺すような動きは、まるでルイス・スアレスを彷彿とさせる。
11位の京都サンガF.C.も昨季のとくに後期がすごくよかったクラブのひとつ。その立役者であるFWラファエル・エリアスを完全移籍で獲得したことは非常に大きな補強だ。昨季の勢いのまま今季もいいパフォーマンスを見せてくれれば、京都は面白い存在になる。そこに新戦力がどう融合するかは注目だ。
12位のアビスパ福岡で一番注目されるのは金明輝新監督だろう。過去の問題でかなり物議を醸していることがどれだけ影響するか。サッカースタイルはアグレッシブにプレーをさせるし、黒田監督の下で守備においても身につけたものがあるはず。補強も積極的にしているので、どんなサッカーで席巻するのか楽しみだ。
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