「中島洋太朗はすぐに海外に行くんじゃないか」 サンフレッチェ広島の助っ人トルガイも大絶賛する驚異の18歳
3日後にACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)の試合を控えるヴィッセル神戸が飛車角抜きのベストメンバーでなかったことを差し引いても、サンフレッチェ広島の強さばかりが際立つ一戦だった。神戸に一歩及ばず昨季リーグ2位に終わった広島が、国立競技場で行なわれた"最後"のスーパーカップで2-0と快勝を収め、新シーズンの躍進を予感させた。
試合は立ち上がりから広島が相手を押し込むと、12分に右からの中野就斗のクロスをトルガイ・アルスランが頭で合わせて幸先よく先制に成功。70分にはCKから荒木隼人が豪快なヘディングシュートを叩き込み、危なげなく勝ちきった。
優勝トロフィーを持つ中島洋太朗とトルガイ・アルスラン photo by Fujita Masatoこの記事に関連する写真を見る 得点を決めたふたりはもちろん、守護神の大迫敬介、最終ラインを支える佐々木翔、塩谷司ら、ミヒャエル・スキッベ監督のスタイルを熟知する既存の戦力が求められるタスクを遂行したのは、ある意味で当然のこと。驚きを与えたのは、今季加入した新戦力だ。違和感なくチームに溶け込み、持てる力を十分に発揮した。
「プレシーズンでふたつの長いキャンプをやってきて、一緒に過ごせる時間が長くあったことがよかった。新しい選手たちがすぐに馴染んでくれましたし、チームも受け入れることができたと思う。これからもいい形で馴染んでいってくれると思っています」
4年目を迎えるドイツ人指揮官は満足げな表情で、新戦力のパフォーマンスを称えた。
今季の広島は、昨季にブレイクしたボランチの松本泰志が浦和レッズに移籍し、ピエロス・ソティリウ、ドウグラス・ヴィエイラ、ゴンサロ・パシエンシア、エゼキエウと4人の助っ人がチームを去った。また、引退した青山敏弘と契約満了となった柏好文(→ヴァンフォーレ甲府)のふたりのベテランも不在となった。
一方で、少数精鋭の即効性の高い補強を実現している。FWジャーメイン良(←ジュビロ磐田)、MF田中聡(←湘南ベルマーレ)、MF菅大輝(←北海道コンサドーレ札幌)、MF井上潮音(←横浜FC)の4人は、いずれも前所属先で主軸を担っていた選手たちだ。
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著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。