宇賀神友弥はなぜ浦和の監督ではなくGMを目指すのか「自分は名将と言われる存在にはなれない」 (5ページ目)
【チームにひとりは欲しい選手にはなれたかな】
── 選手だけでなく、すべてのスタッフが本気で悔しがり、本気で喜ぶ。素敵な景色ですね。
「今はまだ、選手たちという単位でがんばっているような気がしていて。もちろん、スタッフの人たちもがんばってくれているのですが、どこかそれぞれがバラバラにがんばっているように僕は思っていて。
僕がいた一番いい時代の浦和レッズって、槙野(智章)といったキャラクターの強い選手がいたというのもあるけど、すごく理想系に近かった。みんなでやろうね、みんな一緒だよね、みたいな。
もちろん、そうなるようにミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)がやってくれていたというのもあるけど、全員で集まって食事をしたり、バーベキューをしたり。それが絶対に必要とは言わないけど、自分の理想に近かった。
なおかつ、優勝はできなかったかもしれないけど、サッカーも魅力的で、そこに結果もついてくることが理想で。残留争いを強いられた今季は、それとはかけ離れてしまっていたような気がしてならなかったんです」
── 本当の意味で、ファミリーと胸を張れるようなチームを作っていきたいということですね。
「目指したいというか、やらなきゃいけない。そう思っています。たまにサッカーのドキュメンタリーを見るんですよね。ユルゲン・クロップ監督とかアレックス・ファーガソン監督といった世界の名将たちの映像を。
ファーガソン監督のドキュメンタリーに登場した人が、彼について語っていたのは、ファーガソン監督が全員の名前を覚えているということ。それだけ、本当に自分の子どものように思っていると。まずはそこ。自分がGMになることができたら、みんながそう思えるクラブを作りたいですね」
── 選手として話を聞ける機会は最後になると思っています。振り返ってみると、宇賀神友弥という選手は、どんな選手でしたか?
「自分のなかで、自分の評価としては、決してサッカーが上手ではなかったというのが大前提にあります。でも、それでありながら、チームにひとりは欲しい、一家に一台じゃないですけど、そんな選手にはなれたかなと思います。
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