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サンフレッチェ広島、来季につながる堂々の準優勝 佐々木翔も「胸を張っていい」とキッパリ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 J1最終節、ガンバ大阪との対戦を終えたサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督は、いつもと変わらぬ落ち着いた様子で記者会見場に現われた。

 勝てばJ1制覇の可能性も残された状況で1-3の完敗を喫し、優勝を逃したにもかかわらず、落胆や苛立ちの色はうかがえなかった。

 スキッベ監督は、勝利したG大阪に、そして優勝を果たしたヴィッセル神戸に、それぞれ祝福の言葉を述べたのち、自らが率いたチームをも称えた。

「厳しいシーズンだったが、昨年より成績がよかった。自分たちはいいシーズンを送れて、本当にいいサッカーを見せられたと思っている」

 泰然自若。

 ドイツ人指揮官のたたずまいには、そんな表現がふさわしい。

今季リーグ戦で堂々の2位という結果を残したサンフレッチェ広島 photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images今季リーグ戦で堂々の2位という結果を残したサンフレッチェ広島 photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 広島の2024年シーズンをひと言で表わすなら、浮き沈みの激しいシーズンということになるだろう。

 開幕から11戦無敗のスタートをきるも、その内訳は4勝7分けと勝ちきれない試合が続くと、案の定と言うべきか、直後に2連敗。順位も今季最低の9位まで落とした。

 その後、シーズンが中盤に入っても思うように白星が続かない。首位を行く町田ゼルビアを追おうにも、なかなか気勢は上がってこなかった。

 そんな広島が、突如目を覚ましたのは第23節、アビスパ福岡戦のことだ。

 福岡戦に勝利した広島は、そこからの11試合を怒涛の7連勝を含む10勝1分けで、たちまち首位まで駆け上がったのである。

 ところが、9年ぶりのJ1制覇へ期待が膨らんだのも束の間、直後に3連敗してしまうなど、リーグ戦最後の5試合は1勝4敗と急失速。結局、神戸の逆転優勝を許す結果に終わったのである。

 連敗しないことは、強いチーム、ひいては優勝するチームになるための条件である。それを考えれば、今季の広島が頂点にたどり着けなかったことは、必然の結末だったとも言えるだろう。

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