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J2ウォッチャー平畠啓史が語る 2024シーズンで見つけた、半端ない、面白い、最高だった選手6人 (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【ザ・フォワードという雰囲気が好き】

矢村 健(藤枝MYFC/FW) 
やむら・けん/1997年6月9日生まれ/169cm、69kg

 藤枝の矢村健選手の点取り屋な雰囲気ってたまんないですよね。ちょっと遠目の距離からでも打つ。ザ・フォワードっていう雰囲気がすごい好き。

 矢村選手も洗練されすぎてないし、ちょっと荒々しいぐらい。藤枝みたいなボールをしっかりとつないでいくサッカーにおいては、一番前の人が決めてくれるか決めてくれへんかで、そのつなぎの意味が全然変わってくるわけじゃないですか。だから矢村選手の存在はでかい。

 結構アクロバティックなゴールを決めたり、インパクトが強いんですよね。ものすごいシュートを打つ意外性。FWにとってそれって結構大事じゃないですか。たぶんお客さんとしてスタジアムに見に行ったら「今日矢村決めへんかな〜」みたいな気持ちになるFWですね。勝った負けたとかよりも、帰りの電車の間もずっと矢村選手のゴールについてしゃべれる感じ。「今日、矢村のゴールやばかったな」って。シーズンが進んでいくにつれて、どんどんボールが集まり始めるっていうのも、今シーズンの藤枝を見ていて面白いなと思ってました。

 キャリアハイの16得点ですが、たぶん周りの選手が矢村選手の使い方を理解した。矢村選手は要求してたと思うんですよ。「今ここに出したら俺シュート打てんのに」って。周りから見たら「いやいや、それ無理でしょ」っていうタイミングだったと思うんですよ。でもそれがだんだんボールが出るようになって、点を重ねていくなかで、矢村選手のタイミングに周りが合わせるようになっていったんじゃないかと。

 須藤大輔監督も言ってますけど、ゴールだけじゃなくて結構守備でも体張ったりとか戻ってきたりするんですよ。やっぱりそういうことをすると、周りは使ってやろうっていう気になりますよね。

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