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J2ウォッチャー平畠啓史が語る 2024シーズンで見つけた、半端ない、面白い、最高だった選手6人 (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【スマートすぎないよさが出ている】

木村太哉(ファジアーノ岡山/MF) 
きむら・たかや/1998年7月8日生まれ/175cm、71kg

 特に終盤戦に向かってマイブームになったのが、岡山の木村太哉選手。面白い選手ですね。何が面白いかっていうと、洗練されすぎてないよさみたいなところがあるんですよ。ちょっと語弊があるかもしれないんですけど、スマートすぎない。

 木村選手のことを、たまに実況の方で「ドリブラー」っていう人がいるんですけど、ドリブラーってスピードできれいにかわす人、きれいなフェイントや技術でかわしていく人だと思うんですよ。でも木村選手の場合は、僕は「アグレッシブ」っていう呼び方が一番いいと思うんですけど、きれいに抜き去るよりも、相手とちょっとぶつかるような感じになりながらも、必ず自分の前にボールが出てくる。

 ミュージシャンとか音楽家って音大とか行きますよね。「コードの押さえ方がこうで」「譜面がこうです」みたいに、知識で入っていくじゃないですか。サッカー選手もたぶんJユースとかで育っていくと「こういう動きするんです」「こうやってパスを受けてターンして、こうドリブルするんです」みたいな、教わることがあるじゃないですか。木村選手って、なんかそういう感じじゃないんですよね。自分で覚えたみたいな。

 だからたまに「え、なんでそんなミスする?」みたいなこともある代わりに、予想外とか想定を超えるプレーも出す。そのプラスもマイナスもすごく魅力的なんです。それだけに木山隆之監督も、たぶんあえてそのまま起用していると思うんです。

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