サッカーマニア平畠啓史の2024年J2総括 清水&横浜FCの強さとJ1昇格プレーオフの展望 (4ページ目)
【ボールの動かし方が絶妙な山形】
リーグ4位のモンテディオ山形は、シーズン途中は苦しい時期もありましたが、終盤戦は強かったし、見ていても面白かった。チームがひとつになって、ビジョンをみんなが共有して戦っている印象があります。9連勝で終わっていますが、9連勝の前は横浜FCに負けている。でもさらにその前に3連勝している。最後13戦で12勝ですから、これは強いですよ。
やっぱりMF土居聖真選手とFWディサロ燦シルヴァーノ選手の加入は大きかったですね。ふたりのフィットの仕方は半端ない。でも忘れてはいけないのはDF城和隼颯選手。187cmもあるんで高さもあってクロスを跳ね返すのもあるんですけど、ザスパクサツ群馬の大槻毅監督の下でビルドアップをやってた選手だから、組み立てもできるんですよ。これは大きかったですよね。
山形はボールの動かし方がもう絶妙ですね。前の4人にボールが入った時に一気に加速する。また、その4人へのボールの入れ方も本当にうまいんですよ。それは髙江麗央選手と小西雄大選手のふたりのボランチのうまさが大きいと思うんです。山形ってあんまりサイドで詰まることがないんですよね。
たとえ縦パスが入らなくても、後ろで回してる時に全然焦りがない。「動かしてるうちにここ空いてくるぞ」とか、「ここに立ってたらボール来るぞ」ってみんなが理解してるから、全然焦らない。そこは渡邉晋監督が作り上げた山形のサッカー。本当に完成度が高いので付け入る隙が見当たりません。選手層の厚さも問題ないし、守備もいいし、速攻も遅攻もどっちもできる。穴がないですよ。
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