レッドブルのJ3大宮アルディージャ買収、さまざまな疑問「クラブカラーはオレンジから赤に変更される?」 (5ページ目)
【黒船の来襲はどんな影響を及ぼすのか?】
大宮のトップチームには、アカデミー出身の選手が多い。しかも、有望株が揃っている。昨シーズン途中に高校3年生でトップチームデビューを飾ったDFの市原吏音(りおん)は、1月のアジアカップでトレーニングパートナーに選ばれた。U-19日本代表にも選出されている。
また、来シーズンのトップチーム昇格が決まっている磯﨑麻玖(まーく)は、192cmセンチのサイズを持つ大型ストライカーだ。彼だけでなくU-15やU-16などの代表チームに、大宮はかねてから選手を送り込んでいる。
一方で、五輪代表や日本代表までステップアップしていったアカデミー出身の選手は、これまでのところ少数派となっている。ユースからトップチームへ昇格した奥抜侃志(かんじ)が、ドイツのクラブへ移籍後に日本代表へ選出されたのが唯一のケースだ。18歳から20歳の選手の成長速度を上げていくことは、クラブが長く直面してきた課題と言っていい。
トップチーム昇格後の選手たちがレッドブルのネットワークを活用して経験を積み、国際舞台で戦える選手になっていけば──クラブはひとつ上のレベルへ到達することができるだろう。
外資の経営参画は、大宮に限ったことではない。株式譲渡の比率はさまざまだが、複数のクラブが検討していると言われている。
いずれにせよ、レッドブルという"黒船"の来襲は、Jリーグに、日本のサッカーに、特大のインパクトを与えていくだろう。クラブ経営の新たなモデルケースとして、大宮アルディージャはピッチの内外で注目を集めていく。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
【写真】鮫島彩さん(元・大宮アルディージャVENTUS)今昔フォトギャラリー
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