松井大輔はセカンドキャリアも独自の道を歩む「ドリブルは理論も合わせて伝えるのが育成世代には大事」 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【サッカーとテクノロジーをつなげるのも面白い】

── 元日本代表の選手が育成のスペシャリストになれば、育成の指導者の地位も向上するでしょうし、報酬面も改善されて、目指す人も増えるでしょうね。

「そうなってほしいし、そうしていきたいです。だから現在はドリブルの研究をしながら、年代ごとの練習メニューを考えたりして、指導者としてもレベルアップしていきたいと思っています。

 それと、今後はサッカーのコーチも、たとえばDFコーチ、MFコーチ、アタッカーコーチ、ドリブルコーチ、カウンターコーチなど、アメフトみたいにどんどん細分化していくと思うんです。僕としては、育成年代の指導と並行して、自分が得意とする分野の専門コーチのようなものも目指していきたいなって」

── いつ頃からそんなことを考えていたんですか?

「僕の場合、現役時代から何度も引退するタイミングがあったので(笑)。その節目節目の時期は、いつも引退後は何をしようかなって考えることが多かったんですよ。

 だから、サッカーの指導だけでなく、ビジネス的なことでやりたいこともありますね。まだ具体的に進んでいることはありませんけど、企業と企業をつなげて、お互いが不足していることを補えるようなマッチングの仕事だったり。

 それと、最近はサッカーの指導でもテクノロジーを積極的に取り入れるようになっているので、子どもの指導に生かせるテクノロジーを企業と一緒に開発してみたい。そういった、サッカーとテクノロジーをつなげるのも面白いかなって」

── 解説の仕事やテレビ番組の出演もあって、引退後も忙しそうですね。では最後に、これまで応援してくれたファンに感謝のひと言をお願いします。

「はい、と言いたいところですが、実は引退試合の計画を考えていまして、みなさんへのご挨拶はその時までとっておこうかなって(笑)」

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