川島永嗣41歳、体の衰えはなし でも後輩には「動けていなかった時には、遠慮なく言ってね」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【GKはプレーだけではなく、周囲との関わりも大切】

── 一方で、年齢を重ねてきことによるポジティブな変化はありますか。たとえばGKの選手に聞くのは、若いころは怒ることも多かったが、年齢を重ねて温和になったという話も聞くので。

「今でも怒鳴っているので、試合中は変わらないですかね(笑)。でも、試合の結果と自分のパフォーマンスは分けて考えられるようになりました。

 それこそ若い時は、たとえば自分のパフォーマンスとは別に、ただチームの結果が出ていないから、自分のパフォーマンスにも影響が出てしまっていると考えてしまった時もありました。

 逆に、チームがうまくいっている時に、自分のパフォーマンスが常にいいわけではないのに、チームの結果が出ていることに安心して、自分の気持ちに緩みが出てしまってパフォーマンスも下がってしまったり。そうした波や緩みは、昔と今とではなくなったと思っています」

── 実際にJ1リーグの舞台に立って感じていることは?

「練習と試合、練習試合と公式戦は違うように、一瞬の判断については、緊張感のある公式戦のなかでなければ突き詰めていくことはできないと感じています。キャンプから練習試合では、感覚的なところも含めて問題なくプレーできていましたが、公式戦はやはり、ひと味もふた味も違うな、と。

 そうした公式戦での判断についても、1試合1試合、よくなっていると思っています。ただ、すでにリーグ戦は開幕しているし、1試合が大切なので、徐々になどとは言っていられないですけどね。

 あとは、GKは自分のプレーだけではなく、周囲との関わりも大切になるので、自分がどういったプレーを選択することがチームのためになるのか。そこにもこだわっていきたいですね」

── チームのJ1初勝利は、古巣である川崎フロンターレとの一戦でした。勝利したとはいえ5-4という結果は、GKとしてはどのように振り返ったのでしょうか?

「勝利したことはうれしかったですが、失点はCKに、PK、あとは自分がセーブしたあとのこぼれ球。4失点のうち修正できたとすれば、1失点目は自分たちのボールを奪われてカウンターされたところから相手の攻撃が始まっているのですが、3-0でリードしていながら前半に1点を取られるか取られないかは、試合を左右する大きな局面だったと思っています。

 状況的には決して簡単ではなかったですけど、自分があそこで止めるGKにならなければいけない。その後の試合展開にも大きく影響したと思うので、自分がもっとやらなければいけないと感じた試合でもありました」

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