川崎フロンターレの補強を査定 常勝時代からかけ離れた苦しむ姿...突破口は?
開幕前から評価の難しいチームではあった。
山根視来(→ロサンゼルス・ギャラクシー)、登里享平(→セレッソ大阪)、レアンドロ・ダミアン(→コリチーバ)ら黄金期を支えたタレントが多く抜けた一方で、日本代表にも選ばれた三浦颯太(ヴァンフォーレ甲府→)をはじめ、山本悠樹(ガンバ大阪→)、丸山祐市(名古屋グランパス→)、さらにはオランダからファンウェルメスケルケン際(NEC→)を"逆輸入"で迎え入れ、エリソン(ボタフォゴ→)ら3人の助っ人も加えている。
早くも今季2敗目を喫した川崎フロンターレ photo by Yamazoe Toshioこの記事に関連する写真を見る 一見、質・量ともに戦力維持に成功できたかに思えるが、長年、鬼木達監督の下で培ってきた川崎フロンターレのスタイルに、彼らがフィットできるかは未知数である。大きな改革はリスクを伴うものである以上、今季の川崎の行く末を予想するのは困難と言わざるを得なかった。
2024シーズンの初戦となったACLラウンド16第1戦の山東泰山では3-2と撃ち合いを制すると、ほとんどサブ組で臨んだヴィッセル神戸とのスーパーカップではファンウェルメスケルケン際の決勝弾で今季の初タイトルを獲得した。
しかし、ホームで行なわれたACLラウンド16第2戦で山東泰山に敗れると、雲行きが怪しくなった。志なかばでアジアの戦いを終えたチームはリーグ戦へと気持ちを切り替え、湘南ベルマーレとの開幕戦では2-1と何とか競り勝ったものの、2節のジュビロ磐田戦では悪夢のような展開で4-5と敗れている。
そして迎えた京都サンガFCとの第3節では、65分に失った1点を取り返せずに0-1と敗戦。速やかにフィットしゴールを量産していたエリソンが不在だったことも影響したが、今季初の無得点に終わり、まさかの連敗を喫した。
「選手は自信を持ってプレーしてくれていたと思います。最終的にゴールを取りたかったゲームでゴールを取れなかったこと、そこがすべてだと思っています。そこにしっかりとフォーカスしながら、一歩一歩進んでいきたい」
鬼木監督は気丈に前を向いたが、小さくないダメージを感じていることも事実だろう。
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著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。