湘南ベルマーレ・山口智監督「たくさんの批判を受けることもあった」 7季連続J1も「残留への危機感でスイッチが入るようではダメ」 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【夏のミニキャンプが大きなポイントだった】

――序盤から苦しい時期が続きましたが、8月から徐々にチーム状況は上向いていきます。7月の中断期間がチームを立て直すいいきっかけになりましたか?

 おっしゃるとおり、中断期間にミニキャンプをやらせてもらって、そこで名塚善寛さんにトップチームのコーチに来てもらったことで僕もちょっと吹っきれたところがありました。

 キャンプでそれまでを振り返った時に、やっているつもりでも足りないところが明確にあって、そこをキャンプで徹底できました。あるものを再確認して、そこを追求して、思い出させることができたと思います。シーズンのなかでこのキャンプは非常に大きなポイントでした。

――6月にMF田中聡選手がレンタルバック、7月にキム・ミンテ選手を鹿島アントラーズから期限付き移籍で獲得しました。守備においてふたりが加わったのも非常に大きかったのではないでしょうか?

 もちろん、彼らの加入による刺激も必要でした。また、彼らも試合に出られていなかったので、移籍することで刺激が必要だったと思います。既存の選手たちは彼らから刺激を受けて、もう一回やらないといけない、負けたくないという気持ちは間違いなくあったでしょう。

 僕自身ももう一回競争というか、選手と同じように勝負をしなければいけないと、スイッチを入れ直しました。そういった意味で彼らの加入は本当に大きかったと思います。

――中断期間明けの第22節サンフレッチェ広島戦でシーズン初の失点ゼロでの勝利を収めました。キム・ミンテ選手が加入後初出場した試合でもありましたが、この勝利はチームが上向いていく上でいい勝利でしたか?

 そうですね。彼のリーダーシップは大きなものがありましたし、その前には田中聡がいて、軸がふたり変わったことで良い方向に導いてくれたのも大きかったと思います。一方で課題のあった試合でもありました。それでも最後、全員でしのげたのは、キャンプでやってきたことがベースにありました。

 それを出せて勝ちきれたのは、チームとして「もう一回ここからやっていこう」という、いいきっかけになった試合だったと思います。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る