佐野海舟が初の日本代表で衝撃を受け、田中碧、守田英正、遠藤航から学んだこと (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

 47分には、相手選手に身体を入れてボールを奪うと、サイドへ展開した。その1分後には、こぼれ球に反応してミドルシュートを放つ積極性も見せた。

「大胆さも必要だと思いましたし、日本代表は何か爪跡を残さなければいけない場所だとも思いました。本当にワンプレー、ワンプレーが勝負だと思っていたので、相手が引いていたこともあって、自分がミドルシュートを打って、相手をおびき寄せることも狙いのひとつでした」

 続くサウジラビアで行なわれたシリア戦に出場することはなかったが、日本代表での試合も、練習も、チームメイトとの会話も、すべてが刺激だった。なかでも意識をくすぐられたのは、練習の強度だった。

「技術が高いのはもちろんですけど、自分が驚いたのはプレーの強度でした。ミニゲームや紅白戦も含め、自分が今までやってきたなかで最も高い強度でした。試合の2日前にその強度を出せることに驚きましたし、そのうえで技術的なうまさがあった。プレー強度の差、これはかなり大きいなと感じました」

 鹿島もJリーグでは強度が高いことで知られているチームである。

「今季、鹿島に加入して練習の強度や練習の熱量は、今まで自分が感じたことのないレベルでした。でも、日本代表はそれ以上だった。鹿島でも上には上があることを感じましたけど、日本代表で、さらにそれを実感した。自分にとっては大きな経験でしたし、その経験を"ただのいい経験"で終わらせてはいけないと思いました」

 さらに同ポジションの選手たちからは、刺激だけでなく、大きな学びを得た。

 まずは、ミャンマー戦で同じピッチに立った田中碧(デュッセルドルフ)である。

「ミャンマー戦ではゲームを作る役割を担っていましたが、練習で一緒にプレーしていた時も感じたのですが、攻撃に出ていく力強さと速さがありました。ボランチがゴール前まで走り込んで仕事ができるのは、今の自分にはない部分。ゲームもコントロールできるし、ゲームも作れるし、前に出ていってゴールに絡むこともできる。自分に必要なプレーを備えている選手でした」

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