南野拓実、田中碧らが過去に受賞...Jリーグベストヤングプレーヤーは小粒化か? (3ページ目)
【パリ五輪世代の逸材たち】
松木のチームメイトである俵積田晃太(19歳)も面白い存在だ。アカデミーから昇格した19歳のアタッカーは、何よりそのドリブルに特長がある。巧みなステップで敵陣を切り裂くその姿は、三笘薫を彷彿させる。
切り札役として起用されていたものの、ピーター・クラモフスキー監督就任後は左ウイングのポジションを掴み、スタメン出場を続けている。ここまで1アシストのみと目に見える結果は出ていないが、得点・アシストとゴールに直結する仕事が増えてくれば、ブレイクスルーも十分可能だろう。
アルビレックス新潟の三戸舜介(20歳)と小見洋太(20歳)のアタッカーコンビも徐々に存在感を強めている。前者は2列目ならどこでもこなし、19節のサンフレッチェ広島戦では1得点・1アシストで勝利の立役者となった。後者は途中出場が多かったものの、6月以降は左サイドハーフのポジションを確保。ともに伊藤涼太郎が抜けた新潟の攻撃のカギを握る存在として、重要なピースとなりつつある。
ガンバ大阪の半田陸(21歳)も可能性を感じさせる選手だ。今季、モンテディオ山形から加入した右サイドバックは、開幕からスタメン出場を続けていた。3月には日本代表にも選ばれた逸材も候補のひとりだったが、7月に左腓骨を骨折し、長期離脱が避けられない状況となった。
湘南ベルマーレの畑大雅(21歳)と平岡大陽(20歳)も出場試合数を考えれば、候補に挙げられてもおかしくはない。だが、いずれも低迷するチームにおいて、その能力を十分に発揮できているとは言いがたい。
ほかにも横浜F・マリノスの山根陸(19歳)、サガン鳥栖の樺山諒乃介(20歳)、柏レイソルの土屋巧(19歳)らが、17試合以上の出場という条件を満たせば候補に挙がってくる。だが、いずれにせよ冒頭に記したように、若手の最高栄誉を手にするだけの印象度を与える選手はそれほど多くない。松木にしても現時点では、ルーキーイヤーのインパクトを上回れていないのも事実だろう。
今季も残り13試合となった。ひとつの試合の重要度が増すなか、チームの勝敗に影響を与え得る "突き抜ける若手"の出現に期待したい。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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