守田英正×脇坂泰斗 激論「フロンターレあるある」と日欧のサッカーの違い

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

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守田英正×脇坂泰斗スペシャル対談(後編)

◆守田英正×脇坂泰斗・前編>>ふたりが思い出すフランス戦「舌打ちされた」「覚えてない(笑)」
◆守田英正×脇坂泰斗・中編>>同期が互いの成長を実感「海外に行けたのも、俺のおかげ」

 1995年生まれで、2018年に川崎フロンターレに加入した守田英正と、脇坂泰斗のふたり。川崎でJ1リーグ優勝をはじめ、いくつものタイトル獲得に貢献してきたふたりが語る「強いチームの在り方」とは──。

 スペシャル対談・後編では、ふたりが感じた勝者のメンタリティと、日本とポルトガルにおけるサッカーの違いと、互いの考えを語り合ってくれた。

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この記事に関連する写真を見る── プロになってから成長していく過程では、ポジションを掴むために誰かの代わりになろうとか、その穴を自分が埋めようという意識はあったのでしょうか。というのも、守田選手ならば当時のフロンターレにはエドゥアルド・ネット選手、脇坂選手ならば中村憲剛さんという指標があったように思います。

脇坂 そこは個人よりも、チームという単位が先にあるので、意識するところはあったと思います。特に僕もヒデ(守田)も、できあがっているチームに入ったので、そこにアジャストしていかなければならない。これは、フロンターレに加入した選手が最初にぶつかる壁かもしれない。

守田 誰もが一度、通る道かもしれないね。

脇坂 だから、これは僕らふたりに限らず、誰もが経験する「フロンターレあるある」のひとつだと思います。

守田 誰もが、というので思い出したけど、(山根)視来くんですらそうだったよね。

脇坂 視来くんが加入した年(2020年)のキャンプでは、チームに合わせよう、合わせようと頑張っている姿がありました。でも、どこかで自分の特徴を出すことが大切で、活きる道だということに気づいてから、そのプレーも大きく変わり、チームにとって不可欠な存在になっていったように思います。

守田 振り返ると、自分も実際はそうでしたからね。自分がネットになれないことはわかっているんですけど、それでこのチームはリーグ優勝していると思うと、最初はどうしても彼のプレーに引っ張られてしまった。仮に、そこで自分のカラーを出して試合に負けてしまったら、自分が原因になってしまうと思っていたところもありました。

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