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今季J2のおススメ注目チームをサッカーマニア平畠啓史が語る 首位町田の強さから残留争いをするチームまで (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【黒田剛監督のマネジメント論に興味】

 例えばマネジメント。それこそエリキ選手がものすごく守備をするとか、サイドハーフの選手が守備に走るとか、センターバックの選手が肝心なところを空けないとか、そういうところを徹底できる。これってプロの選手をマネジメントする時に意外と難しいところなんじゃないかって思うんですよ。

 プロの選手って今までやってきたキャリアもあるし、実績もあるから。「いや、俺には俺のやり方がある」「俺はこうやる」っていうのがありますけど、それをちゃんと説き伏せたすごさ。

 多分、プロの選手だからチームが勝っていけば言うことを聞くし、勝てなかったら言うことを聞かないって単純なものはあると思うんですが、黒田監督にとってもそこが一番の勝負だったんじゃないでしょうか。だから僕は黒田監督のシステム論より、マネジメント論のほうに興味があります。

 黒田監督は、練習中も試合中も大きな声を出すことはあまりないと聞きました。そういったボスとしての振る舞いって、高体連だからとか、Jリーグだからとか関係ないですよね。なんかビジネス雑誌にでも載りそうなマネジメントの話ですよね。

 町田はクラブハウスも新しくなって、2面取れる広い練習場があって、選手も新しくなって、監督も新しくなって、社長も新しくなった。エリキ選手が来ただけなら、多分ここまでの結果は出ていなかったかなと。

 クラブハウスは隈研吾のデザインですよ! あのクラブハウスを見たら選手もこのクラブに行きたいなって単純に考えると思うんですよ。

 練習場で町田のサポーターさんとしゃべったんですが、本当に今めちゃくちゃ楽しいと。クラブの社長さんが提供するものって、勝ち点3も大事だけど、みんなが試合のない1週間をどんな気持ちで過ごせるかっていうところを提供するのが大事じゃないですか。

 藤田晋社長は、お客さんを喜ばせて利益をあげる会社のトップの方なんで、サポーターにどう喜んでもらうかっていうのを考えているなと。それはサッカーの中身と同じぐらい大事なこと。

 シーズン前に僕は「チームが変わるとか、今までいた選手がいなくなるのはサポーターの方にとっては非常に寂しいことではあるけど、それを上回る喜びを与えられたら別にいい」って話をスポルティーバでしましたよね。変化っていうのは徐々に変えていくのも大事だけど、クラブの歴史のなかでは、1年で変えるのもすごく大事なことなのかもしれない。

 これからほかのクラブでも参考になるやり方だと思います。もうここまで来たら、今年は絶対J1に上がらないといけない空気感になっているんじゃないでしょうか。

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