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中村憲剛と佐藤寿人が痛感する、スタイル継承の難しさ「オシムさんのサッカーはオシムさんじゃないとできなかった」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

── イビチャ・オシム監督の下で確かなスタイルを築いていたジェフユナイテッド千葉は、そのスタイルを継続できず、今もJ2で苦しんでいますね。

寿人 継承しようとしましたけど、オシムさんのサッカーはオシムさんじゃないとできなかったんでしょうね。

憲剛 オシムさんと同じことは誰もできないと思います。風間(八宏)さんも同様です。バルサの4-3-3を多くのチームがトライしたけどなかなか同じようにならないのと同じで、だからこそ監督にはオリジナリティが求められます。

 ほかの人ができないスタイルを築いたからこそ、評価され、価値が出ます。エッセンスは継承したとしても、マネをしてはいけないし、そもそもできないと思います。

── 継続的に結果を出すためには、やはり「どういうスタイルを目指すのか」というクラブとしての確たる哲学と、それを実現し得る監督の存在が重要だということですね。

寿人 そうですね。現場とフロントのリレーションがうまく取れていないとダメだと思います。その両輪がうまく回らないと、方向性が定まらないですし、スタイルに合った選手を取ることもできませんから。

憲剛 プラス、我慢だね。

寿人 結果が出ていないチームって、やっぱりフロントと現場のズレがあるんですよ。鹿島とかマリノスとか、フロンターレもそうだと思いますけど、そのズレが小さいから、時代を作ってこられたのかなと感じますね。

── ここまでの話の流れを踏まえ、確かなスタイルを持つフロンターレが、今季はなぜ苦しんでいるのでしょうか。

憲剛 なんともコメントしづらい質問してきますね......ここは寿人、任せた。

寿人 厳しいパスですね(笑)。でもフロンターレは結局、去年まではジェジエウと谷口(彰悟)のCBである程度守れるから、かなりアンバランスなポジションに人が出入りして、リスクをかけることができていたんだと思います。

 それが今年、谷口が(アル・ラーヤンに)移籍して、ケガ人もたくさんいる状況になって、跳ね返せなくなってしまった。今まで攻撃に強みをもたらせていたところが、逆にウイークになってしまった気がしますね。

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