「オリジナル10」「多摩川クラシコ」「マスコット」など Jリーグ30年の歴史を築いてきたキーワードをテーマにクイズを出題 (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo
  • photo by Getty Images

A26:北海道コンサドーレ札幌

 J1リーグではかつての鹿島アントラーズが8回、横浜F・マリノスが5回の優勝を経験しています。J1では強いチームを完成し、それを維持できれば優勝回数はどんどん増やすことができます。しかし、J2リーグではそうはいきません。優勝回数を増やすには再び降格しなければならないのです。J2で3度の優勝経験を誇る札幌。ということは、最低でも2度の降格を味わっているということになるのです。札幌としては、これ以上更新したくない"記録"でしょう。

A27:大分トリニータ、松本山雅FC

 J3リーグは2014年の発足から10年も経っていません。しかも、J1リーグとの実力差も大きく"J1への道"は容易ではありません。2013年にJ1で戦っていた大分ですが、2015年はJ2で21位となり入れ替え戦でFC町田ゼルビアに敗れてJ1経験クラブとして初めてのJ3降格を味わいました。しかし、2016年に片野坂知宏監督が就任するとすぐにJ3で優勝してJ2に昇格。さらに、2018年にはJ2で2位にはいって自動昇格を果たしました(2021年には天皇杯準優勝するも、再びJ2に降格)。

A28:FC東京 5-4 川崎フロンターレ

 JFL時代からライバル関係にあった両チーム。2006年11月の第30節では5-4という点の取り合いの末にホームのFC東京が勝利。これをきっかけに川崎側から両チームの対戦をダービーマッチとして開催したいと申し入れがあり、FC東京も了承して「多摩川クラシコ」と命名されました。ちなみに、それまでの対戦も通算して「第11回多摩川クラシコ」と銘打った2007年の第10節での対戦も点の取り合いとなり、川崎が5-2で勝利して雪辱を果たしました。これまでの通算成績は川崎の24勝9分12敗(カップ戦等も含む)。

A29:今野泰幸(FC東京)

 最終節を前に5チームに逆転優勝の可能性が残ったものの、2位浦和に勝点1の差をつけて首位に立つセレッソ大阪は「勝てば優勝」でした。エース西澤明訓が2ゴールを挙げ1点リード。残り時間が少なくなるとスタジアムのあちこちで優勝セレモニーの準備が始まり、スタジアム全体がざわつき始めました。すると、89分にCKからのこぼれ球を今野泰幸が決めて同点とされ、川崎に勝利したガンバ大阪が逆転優勝。C大阪は5位に沈みました。

A30:ベガッ太(ベガルタ仙台)

 2013年から実施されてきたマスコット総選挙は今年で最後となりました。これまで11回の総選挙ではベガッ太のほか、ヴィヴィくん(V・ファーレン長崎)、サンチェ(サンフレッチェ広島)、グランパスくん(名古屋グランパス)が各2度ずつ、マリノスケ、マリノス君(以上横浜F・マリノス)が1度ずつ第1位を獲得しており、そこにマリンが加わったわけです。「ゆるキャラ」や「着ぐるみ」が一つの文化となっている日本だけに、マスコットのクオリティ-はワールドクラス。今後もユニークなマスコットの登場に期待したいところです。

プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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