香川真司が10代以来のボランチで原点回帰...思い出すのは「恩師」レヴィー・クルピ監督の言葉 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【帰ってきたエースの役割】

 果たしてその言葉どおりに、香川は国内最高のアタッカーとして世界に羽ばたき、日本代表のエースにまで上り詰めた。そして34歳となった今、トップ下の匂いを残しながら、かつて希望したボランチ的な役割も担うことになったのだ。

「今のプレーは自分にあっているのかなと。僕はボランチから、気づけば前に上がっていった選手なので。そういうところの感覚も残っていますから、ボランチとしての役割をうまくやりながら、ナンバー10の役割もね。今はそこはちょっと欠けているけど、徐々に出して行ける感覚はあるので、そこは試合を重ねながらやっていきたい」

 ゲームをコントロールしながら、培ってきた得点感覚も発揮する。それは原点回帰であり、新たな挑戦でもある。帰ってきたエースは、かつてとは異なる表情を見せながら、心のクラブを力強く牽引していくはずだ。

プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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