ガンバ大阪の宇佐美貴史が今季から背番号「7」をつけるわけ。「誰でもつけられる番号にしたくなかった」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa
  • photo by ⓒGAMBA OSAKA

 会話の中身としては、ちょうどタンを焼いている最中に『7をつけていいですか?』と尋ねたら『いいよ〜』と返ってきて、それで終わりです。次の瞬間にはあっさり、違う話題に飛んでいました(笑)。僕としても、おそらくその3文字が返ってくるやろうなと思っていましたが、まさにビンゴでした!」

――プロになってからは初めてつけるひと桁の背番号です。ご自身での、馴染み具合はどうですか?

「『懐かしいな!』って思っています。というのも、中学生の時に世代別代表でも『7』をつけていたし、もっと言えば、小学生の時に所属していた長岡京SS時代にも背負っていた番号なんですよ。当時、憧れまくっていた家長くん(昭博/川崎フロンターレ)がつけたことでチームのエース番号になり、『僕もつけたい!』と目指し、数年後につけさせてもらったという経緯がありました。

 そう考えると、自分にとって『これを目指したい』というものができた時とか、自分にとって大きな判断を迫られる時には必ず、目の前に『7』の背中があったなって印象もあるし、純粋に『7番、宇佐美』と言う字面にも懐かしいな、と(笑)。小学生時代を思い出して童心に帰るような感覚もあります」

――いつ頃から、「7」を背負うことを考えていたのですか。

「去年、J1リーグも残り4試合となったところで、右アキレス腱断裂という大ケガから戦列に戻るにあたり、頭に浮かんだことでした。当時のガンバは残留争いにどっぷり足を突っ込んだ、どん底の状態にあったなかで、自分に向けられる期待もプレッシャーも全部、引き受けたうえでガンバを残留させられたら、少しは自分の力を信じてもいいんじゃないか、と。

 そう思いながら4試合を戦い、結果、ギリギリながらそれを達成できたことで、踏ん切りがつきました。その終盤戦の戦いを通して、自分に重めのプレッシャーを課す必要性を改めて実感したのもありました」

――「プレッシャーを課す必要性」についてもう少し説明していただけますか。

「ガンバって、僕にとってすごく居心地がいいクラブなんです。アカデミー時代からここで育って、プロになり、僕自身もこのクラブが大好きだし、おそらくクラブからも必要な存在だと思ってもらえている。手前味噌ながら、サポーターとも相思相愛の関係にあると自負しています。

 ただ、そういう居心地のよさって、選手にとっては成長のブレーキになってしまうこともある、とても危ないものだと思うんです。だからこそ、このクラブにいながらも"居心地の悪さ"を自分に作り出すことの必要性は常々考えていました。

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