J2ウォッチャー平畠啓史が推す2023シーズンの注目選手。「ものすごい活躍をしそう」「サッカーの楽しさが伝わってくる」「清水のモドリッチ」ら７人
平畠啓史のJ2プレビュー 注目選手編
日本屈指のサッカーマニア、J2ウォッチャーでお馴染みの平畠啓史さんに、今季のJ2の見どころを語ってもらった。後編は注目選手たちを紹介。「ものすごい活躍をしそう」「サッカーの楽しさが伝わってくる」「清水のモドリッチ」など、おススメ７人の選手をプレゼンする。
◆ ◆ ◆
平畠啓史さんが「サッカーの楽しさが伝わってくる」と語る、ファジアーノ岡山のMF佐野航大この記事に関連する写真を見る
【ものすごく活躍しそうな雰囲気がある】
郷家友太（MF／ベガルタ仙台）
持ってるポテンシャルが高いがゆえに、ヴィッセル神戸ではいろんな役割を担うことが多かったんじゃないかと。チームにも合わせられる能力がある選手ですが、郷家選手のよさを活かす起用をした場合、もっと力を発揮できる選手じゃないかと思うんです。そうなった時、ものすごい活躍をしそうな雰囲気がありますよね。
仙台ではより攻撃的で自由度の高いところでプレーできたら、得点やアシストがかなり増えそうです。常時プレーを見たいと思わせてくれる選手だから、仙台で試合に出続けてほしい。僕のなかで相当期待の高い選手です。
宮城出身で仙台のジュニアユース出身ですから、地元の応援している人たちの気持ちもよくわかっていると思うんです。仙台のお客さんが求めるものがなにかわかっている選手って、仙台を応援する人からしても思い入れが強くなりますよね。郷家選手も仙台のお客さんに楽しんでもらいたい思いが強いと思います。地元のチームに戻ってきて１年でJ1に上げられたら、ものすごくうれしいことじゃないですか。
チームメイトにFW中島元彦選手、MF遠藤康選手がいて、彼らとの絡みもとても楽しみですね。
柿谷曜一朗（FW／徳島ヴォルティス）
まず徳島移籍のニュースにびっくりしました。いかにお客さんの気持ちを掴むかというのはプロサッカー選手にとって大事なことで、この移籍は大きなニュースになって徳島のみなさんを喜ばせたと思うんです。もちろん勝つために移籍してきたんですが、大きなニュースになるのもとても大事。
柿谷選手は何度かお話させてもらったことがありますが、やっぱり徳島への思い入れが強い選手です。徳島での成長がなかったら、その後日本代表まで上りつめるような活躍はなかったかもしれない。もともとポテンシャルはありましたが、徳島で覚醒した。徳島で人間として、そしてプロサッカー選手として学んだことは多かったんじゃないでしょうか。
大阪のうどんが一番うまいと感じている大阪人はけっこう多いと思います。でも、柿谷選手も気づいたと思うんです。「四国のうどんもうまいな」と（笑）。いや、これ大事なことで、大阪だけにいると気づかないことが多いんです。大阪人はお好み焼きは大阪やろ、うどんは大阪やろって思ってるけど、広島にもおいしいお好み焼きがあるし、四国にもおいしいうどんがあるってことを、大阪を出て初めて気づくんです（笑）。
これは食事の例ですが、柿谷選手はサッカーにおいても徳島に行って気づいたことが多かったんじゃないかと。ユースのころからずっと注目されていて大事にされてきたけど、外に出て変わったものがあると思います。その徳島に今回戻るのは、本当にドラマがあるなって感じます。でもあの時とは年齢的にも立ち位置的にも全然違うので、前とは違った柿谷曜一朗を、徳島の人たちにどうやって見せていくのかが楽しみです。
あの時は昇格争いでぎりぎり手が届かなかった。『徳島に行って自分のことよりもチームをとにかく勝たせることを考えだした』と柿谷選手から聞きました。柿谷選手らしいプレーもたくさん見たいですが、チームを勝たせるために体を投げ出す柿谷曜一朗も見たいって思いがあります。
1 / 3
