43歳・遠藤保仁が語った「引退」に対する考え。「近づいているという自覚はある。でも...」 (2ページ目)
「基本、監督のイメージするサッカーを体現していくのが選手の役割だし、最低限、チームとしての約束事、やろうとしていることは自分もやるべきだと思っています。監督が求める、奪われたら早く戻るとか、攻守の切り替えとか、球際の厳しさ、アグレッシブさみたいなところは現代サッカーでは当たり前のように求められることですしね。
横内さんは日本代表での指導経験がある分、世界基準も意識しながらいろんなことを選手に求めているし、厳しさをしっかり示してくれるのもチームにとってはすごくいいことだと思う。僕を含めて選手とのコミュニケーションを図ることも多く、いろんな意味で風通しのいい監督だと感じています。
ただ、そうした監督の描くサッカーは当然頭に入っているし、チームとして取り組んでいることは自分もやらなくちゃいけないと思っているけど、さっきも言ったように試合のなかで何が効果的か、を判断するのは選手の責任だとも思うので。自分にボールが入った時には"やり方"を大事にするというより、状況判断をしたうえで自分が一番いいと思うプレーを選択していきたい。
サッカーは結局、チャンスが作れて、得点につながればいいと考えても、そのために、自分の特徴をしっかり出すことが仕事だと思っています」
一方、チームとしてはどうなのか。昨シーズンについて振り返った言葉にもあったように、当然、彼もJ1昇格を実現するだけではなく、そこで戦えるチームになることを見据えた継続的な組織作りは不可欠だと考えている。そのうえで、「個人の質を上げること」はもっと意識すべきだと言葉を続ける。
「サッカーは、個対個のシーンが多いですから。昨年のJ1(での戦い)を振り返っても、最後のところは個人の質、能力で潰されてしまったことも多かった。でも結局、その個人で潰されてしまったら、組織も何も問えない。
それを考えても、とにかく今年1年で、それぞれが個人のレベルアップを意識しながらJ1昇格を目指すべきだと思う。それができれば、必然的にチームとしてのベースアップもできているはずだし、結果にもつながっていくんじゃないかと思う」
もっとも、自身はどの部分の質を高めたいと思っているのかと尋ねると、「僕の場合は現状維持がある意味、レベルアップ」と笑った。
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